ドナルド・トランプ大統領がケビン・ウォーシュ氏を次期FRB議長に就任させる動きは、5月12日に上院が同氏のFRB理事会入りを承認したことで、さらに前進した。これにより、今週後半に予定されている議長職をめぐる最終採決への道が開かれた。
上院は51対45の党派ラインに沿った投票結果でウォーシュ氏を承認。ジョン・フェッターマン上院議員は民主党側から離れ、共和党議員とともに賛成票を投じた。もし議長として正式承認されれば、ウォーシュ氏は15日に任期満了を迎えるジェローム・パウエル議長の後任となる。
ウォーシュ氏の台頭は、彼がビットコインを公然と支持していることや、暗号資産関連企業とのつながりを背景として、金融市場やビットコイン業界全体から大きな注目を集めている。
ケビン・ウォーシュのビットコイン観
デジタル資産に懐疑的な姿勢を示してきた過去のFRB指導者たちとは異なり、ウォーシュ氏はビットコインを「重要な資産」であり、「政策にとって非常に優れた監視役」であると評し、ビットコインの価格はFRBによるインフレ対策や金融政策運営への信頼を反映するものだと主張している。
昨年、ウォーシュ氏はフーヴァー研究所のイベントで「ビットコインは私にとって脅威ではない」と述べ、ビットコインを米ドルへの脅威としてではなく、金融政策の信頼性を示すシグナルとして位置づけている。
🇺🇸 ビットコイン支持派として知られるケビン・ウォーシュ氏が、米連邦準備制度理事会(FRB)理事に正式承認されました。👀
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— Bitcoin Magazine Japan (@BitcoinMagJapan) May 13, 2026
ウォーシュ氏の承認は、彼がFlashnet社に対する出資持分を保有していたことを示す財務開示の後に行なわれた。Flashnetは、加盟店やフィンテック企業向けに、ライトニング方式の決済インフラを提供するビットコイン決済のスタートアップ企業だ。この開示は、FRB議長候補とビットコイン普及にかかわる企業との間のつながりとして、これまででもっとも明確な例のひとつとなった。
さらに、ウォーシュ氏はデジタル資産関連企業へのアドバイザリー業務や投資を通じて、暗号資産セクターとの関係を維持している。そのなかには、暗号資産インデックス運用会社のBitwise社やステーブルコイン・プロジェクトであるBasisとの関係も含まれる。
一方で、ウォーシュ氏は「インフレ・ファイター」として知られている。2006年から2011年までFRB理事を務めていた当時、彼はインフレ・リスクについて警鐘を鳴らし、金融危機後に行なわれた緩和的な金融政策を批判していた。
また最近では、FRBの「体制転換」を求める発言や、金利引き下げに対して前向きな姿勢を示したことから、投資家の間では、彼がインフレ懸念とホワイトハウスからの圧力との間でいかにバランスをとるのかについて議論が巻き起こっている。
市場は現在、インフレ圧力の再燃、地政学的緊張の高まり、そして、今後の金利政策をめぐる不透明感のなかで、FRBの政策移行期に直面している。
ビットコインのトレーダーや暗号資産投資家たちは、ウォーシュ氏のデジタル資産に関する見解が、米国でもっとも強力な金融機関の姿勢の変化へとつながるのかを、注意深く見守っている。