ミズーリ州の下院法案第594号(HB594)は、州内居住者に対するキャピタルゲイン課税の撤廃を目的としたもので、最近、同州の下院で可決された。現在、この法案は共和党のマイク・キーホー州知事による署名を待つ段階にある。
法案の条文によると、本案が成立すれば、ミズーリ州民は「連邦所得税においてキャピタルゲインとして報告されたすべての所得の100%を控除」できるようになる。つまり、州内居住者がビットコインを支出(または売却)した際、価格上昇によって得られた利益に対して州のキャピタルゲイン税を支払う必要がなくなるのだ。
この法案は、最近ロードアイランド州で提出された類似の法案とは異なる。ロードアイランド州の法案では、州民が月に最大1万ドルまでビットコインを支出する場合に限り、州レベルでのキャピタルゲイン税が免除されるというもので、連邦レベルでの課税は引き続き行なわれることになっている。一方、ミズーリ州のHB594では、州民の調整後総所得が変更されることにより、連邦課税上の所得額にも影響を及ぼす点が特徴だ。
法案の文言には次のように記されている。「ミズーリ州の居住個人の調整後総所得は、連邦の調整後総所得に本法案に定める修正を加えたものとする」。
ただし、キーホー州知事が法案に署名するかどうかは依然として不透明だ。なぜなら、同法案が成立すれば、ミズーリ州の年間税収が約3億ドル減少する見通しとなり、すでに現状でさえ州内の公立学校には十分な資金が確保されていないからだ。キーホー知事自身も、州内の教育水準が期待を下回っていることを認めている。
とはいえ、同じく共和党に所属する州内の政治家たちは、HB594を法律として施行することで経済の成長を促進し、平均的なミズーリ州民の税負担軽減が実現すると主張している。
HB594がミズーリ州下院を通過したのは、アメリカ国内に税制への反発が広がるなかでのことだ。例えば、ドナルド・トランプ大統領は最近Truth Socialで、年間所得が20万ドル未満の人々に対する所得税の撤廃を検討していると述べており、その財源を補うために関税を導入する方針を示している。
もしキーホー知事がこの法案に署名すれば、ミズーリ州はキャピタルゲイン課税制度をもつ州としては初めて、それらの収益を課税対象外とすることになる。また、ビットコインを使って買い物や支払いをしたいビットコイナーにとって、ミズーリ州は非常に有利な法域となるだろう。