「ブルームバーグ」の報道によれば、JPモルガン・チェースは、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)を含む暗号資産を担保として、同行のトレーディング部門とウェルスマネジメント部門の顧客に対して融資を提供する計画だという。
🚨 JPMorgan Plans to Offer Clients Financing Against Crypto ETFs pic.twitter.com/QpausRiHxM
— matthew sigel, recovering CFA (@matthew_sigel) June 4, 2025
同行は融資の担保として、まずブラックロック社が手がける「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」を対象に受け入れを開始する予定で、今後さらに複数のETFが順次対象に加わる見通しだ。この融資は、個人のリテール口座から機関投資家まで、すべての顧客セグメントを対象に適用される。
この融資の拡充に加え、JPモルガンは今後、顧客の暗号資産保有額を純資産および流動資産の評価に組み込む方針を採用する予定だ。これにより、暗号資産は株式、自動車、美術品といった資産と同様、融資審査における資産価値として取り扱われることになる。
今回の方針変更は、これまで限定的かつ個別対応で認められていた運用範囲を正式に拡大するものだ。JPモルガンの新たなアプローチは、モルガン・スタンレーをはじめとする他の大手金融機関が暗号資産サービスの本格的な統合を模索し始めている流れとも一致する。先月「ブルームバーグ」は、モルガン・スタンレーが暗号資産取引をE*Tradeプラットフォーム上で提供する計画であると報じている。
この一連の動きは米国の規制環境の変化を反映している。ドナルド・トランプ大統領が政権に復帰して以来、米国政府はデジタル資産に対してより好意的な姿勢をみせている。2024年1月に初めて承認されたビットコイン現物ETFは急速に成長、現在では合計1280億ドルの資産を運用するまでに拡大しており、ETF市場における歴史的な成功例となっている。
ビットコイン価格もここ数カ月で大幅に上昇しており、5月には過去最高値となる11万1980ドルを記録した。
JPモルガンは、米国の大手銀行のなかでも早期からブロックチェーン技術の実証実験を行なってきたことで知られ、現在もCoinbase(コインベース)社などの暗号資産関連企業との関係を維持している。今回の決定により、同行の融資枠組みにさらに多くのデジタル資産が正式に組み込まれることとなる。
なお、JPモルガンのCEOであるジェイミー・ダイモン氏は、ビットコインに対して公の場では懐疑的な姿勢を示し続けているが、顧客の選択の自由については一貫して擁護してきた。5月に開催された投資家向け説明会の場で、ダイモン氏は「私はビットコインのファンではない」と明言したうえで、「私は喫煙を支持しないが、あなたが喫煙する権利は尊重する。それと同じように、あなたがビットコインを購入する権利も支持する。どうぞご自由に」と述べている。
