Home記事ビットコインの強気相場復活は、ホンモノか?

ビットコインの強気相場復活は、ホンモノか?

ビットコインは7万6000ドルから反発。NUPL(※1)、ハッシュリボン(※2)、LTHの供給(※3)が強気相場の回復を示唆している。でも、それは本当なのか?

数週間にわたる急激な売りがビットコインの価格を10万ドル超から8万ドル以下へと引き下げた後、直近の反発を受けて、トレーダーたちの間では「ビットコインの強気相場は本当に軌道に戻ったのか? それとも、次の大きな上昇前にみられる弱気相場中の一時的な上昇(ベアマーケット・ラリー)にすぎないのか?」という議論が交わされている。

ローカルボトムか、それとも強気相場の一時停止か?

今回のビットコインの調整は、投資家の信頼を揺るがすには十分な深さがあったが、マクロ的なトレンド構造を保つ浅さにとどまっていた。価格は7万6000〜7万7000ドルの間で局所的な底値をつけたようにみえ、いくつかの信頼性の高い指標がこのローカルボトムを裏付けるとともに、さらなる上昇の可能性を示唆している。

Net Unrealized Profit and Loss(NUPL)は、ビットコインのサイクルを通じてもっとも信頼できる投資家心理の指標のひとつだ。価格の下落に伴い、NUPLは「不安(Anxiety)」ゾーンにまで落ち込んだが、その後の反発を経て、現在は「信頼(Belief)」ゾーンを再び上回っている。この信頼ゾーンは、過去のマクロ的な高値を形成する前にしばしば表れる重要な心理的転換点として知られている。

図1:NUPLは投資家心理の強気方向への反転を示している。(ライブチャートを見る

Value Days Destroyed(VDD)Multipleは、ビットコインの支出(消費)をコインの「年齢(保有期間)」と「取引サイズ」の両方で評価し、前年の平均値と比較することで、長期保有者の行動に関する洞察を提供する。現在のVDDの値は低水準までリセットされており、長期間保有された大口のビットコインが動いていないことを示している。これは、スマートマネー(賢明な投資家)による強い確信のサインと解釈される。同じような動きは、2016〜2017年と2020〜2021年の強気相場に先立っても観測されており、大規模な価格上昇の前兆として知られている。

図2:もっとも規模が大きく、かつ経験豊富なビットコイン保有者たちは売却を停止している。(ライブチャートを見る

長期保有者が強気相場を後押し

現在、Long-Term Holder Supply(長期保有者の供給量)が再び増加し始めている。10万ドルを超えたあたりで利益確定の動きが見られたものの、長期的な参加者たちはいま、より低い価格帯で再び買い集めを行なっている。歴史的にみて、こうした蓄積(アキュミュレーション)の局面は供給逼迫の土台となり、その後の放物線的な価格上昇につながってきた。今回も同様の展開になる可能性があると注目されている。

図3:長期保有者によるBTCの供給量が急速に増加している。(ライブチャートを見る

ハッシュリボンが強気のクロスシグナルを点灯

Hash Ribbons(ハッシュリボン)指標が、直近で強気のクロス(ブル・クロス)を完了した。これは、短期的なハッシュレートのトレンドが長期平均を上回る現象であり、過去のデータにおいては相場の底打ちやトレンドの転換と高い相関を示してきた。マイナー(採掘者)の行動は将来的な採算性への期待を反映する傾向があるため、このクロスは「今後価格が上昇する」という見方に対するマイナーたちの自信を示唆していると考えられる。

図4:ビットコイン・マイナーたちが再び強気姿勢を見せ始めている。(ライブチャートを見る

強気相場と株式市場との連動

オンチェーンデータが強気を示しているにもかかわらず、ビットコインは依然としてマクロの流動性トレンドや株式市場、特にS&P500との連動性が高いままだ。この相関関係が続く限り、ビットコインは世界的な金融政策、投資家のリスク許容度、流動性の動きにある程度左右されることになる。現在は利下げ観測によってリスク資産全体が反発しているが、その見通しが急速に変化した場合、ビットコインも再び不安定な動きをみせる可能性がある。

図5:BTCは依然として米国株式との高い相関を維持している。(ライブチャートを見る

ビットコイン強気相場の見通し

データ主導の観点からすると、ビットコインは強気サイクルの継続に向けて、ますます良好なポジションを築きつつあるようにみえる。オンチェーン指標は、ビットコインの強気相場の底堅さと力強い回復力を示している。Net Unrealized Profit and Loss(NUPL)は、価格下落時には不安(Anxiety)ゾーンに入っていたが、反発後には信頼(Belief)ゾーンへと移行した。この心理的転換は、マクロ的な高値更新前のタイミングで過去にも繰り返し観測されてきたものだ。同様に、Value Days Destroyed(VDD)Multipleも、長期保有者の高い確信性を示す水準にまでリセットされており、2016〜2017年や2020〜2021年の上昇局面と同じパターンをなぞっている。これらの指標は市場構造の強さを示しており、8万ドル以下での供給を積極的に買い集める長期保有者の動きがその裏付けとなっている。

さらに、ハッシュリボン指標が示す直近の強気クロスも、マイナーたちのビットコイン収益性に対する自信の高まりを反映している。これは歴史的にみても、トレンド転換の確かなシグナルとして機能してきた。こうした蓄積フェーズでは、供給逼迫を引き起こしやすく、過去には放物線的な価格上昇の原動力となってきた。これらのデータは総じて、弱さではなく、強さを浮き彫りにしている。長期保有者たちは、今回の価格下落をむしろチャンスとみなし、積極的に買い増しを行なっている。ただし、この強気の基調はオンチェーン指標だけで決まるものではなく、外部要因も極めて重要なカギを握っている。

ビットコインの強気相場は独立して存在しているわけではなく、マクロ経済の状況には依然として注意が必要だ。強気相場とは、時間をかけて勢いを構築していくものであり、次の上昇フェーズが始まるには、着実な蓄積と好条件が必要とされる。7万6000〜7万7000ドルの局所的な底値は支えられているようにみえるが、今後の展開がすぐに熱狂的な垂直上昇になるとは限らない。ビットコインは、S&P500や世界的な流動性トレンドと密接に結び付いているため、金融政策や投資家心理の変化が相場に新たなボラティリティをもたらす可能性がある。

例えば、利下げ期待がリスク資産を押し上げているものの、インフレーションの急上昇や地政学的ショックによってその期待が一転すれば、ビットコインの安定性が試される場面も出てくるだろう。このようにオンチェーンデータが堅調な土台を示していたとしても、次なるビットコインの強気相場フェーズへの移行は段階的かつ慎重に進行する可能性が高い。6桁(10万ドル以上)への回帰を期待するトレーダーにとっては、市場が堅固な基盤を築いていく過程において、しばし忍耐が求められることになるだろう。

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免責事項:本記事は情報提供のみを目的としており、投資アドバイスを意図するものではありません。投資を行なう前に必ずご自身でリサーチを行なってください。

(※1)NUPL(Net Unrealized Profit/Loss):投資家全体が現在どれだけ含み益または含み損を抱えているかを表すオンチェーン指標。プラス圏が強気心理、マイナス圏が弱気心理を示す。

(※2)ハッシュリボン(Hash Ribbons):ビットコインネットワークのマイニング難易度とハッシュレート(採掘速度)の動向から、買い場を判断するための指標。

(※3)LTH(Long-Term Holders):ビットコインを長期間保持している投資家のこと。LTHの保有量が増えると、市場に売り圧力が少ないと見なされ、強気の兆候とされる。

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  • Matt Crosby

    MattはBitcoin Magazine Proのリードアナリストとして、ビットコイン市場の動向に関する専門的な視点を提供しています。オンチェーン分析、マクロ経済のトレンド、そしてより広範な金融市場との交差点に注目しながら、短期および長期の展望に関するインサイトを発信しています。

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Matt Crosby
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