暗号資産取引所のGeminiの機関投資家部門ディレクターであるパトリック・リウ氏は、デジタル資産にとって「歴史的」だったと自身が表現する2025年を受けて、2026年の暗号資産市場について5つの主要な予測を概説した。
「Bitcoin Magazine」に共有されたメモによると、同氏の見通しは、市場構造の変化、機関投資家による採用の拡大、そして、主流の政治における受容の高まりを強調している。
ビットコインは4年周期の物語を打ち破る
リウ氏は、ビットコインが2026年をマイナスのリターンで終える可能性があると予測しており、これまで投資家の期待を導いてきた伝統的な4年サイクルに疑問を投げかけている。
リウ氏によれば、新規参加者の増加、規制された投資ビークルの登場、流動性の深化といった要素を特徴とする市場の成熟により、ボラティリティが低下しているという。彼は、最近の調整局面が過去のサイクルと比べてはるかに小さい点を指摘し、ビットコインは高値から約30%下落しているにとどまり、歴史的に見られた75~90%の下落には至っていないと述べた。
オプション市場におけるインプライド・ボラティリティの低下を含む構造的変化は、投資家基盤の拡大と、この資産に対するより持続性の高い強気シナリオを示唆している。
中間選挙に向けた暗号資産への政治的接近
リウ氏は、2026年の中間選挙に向けて、米国の二大政党が暗号資産コミュニティへの働きかけを強めていくと予想している。2024年の中間選挙では共和党が先行して暗号資産支持層にアプローチしたが、2026年には民主党もこれに追随すると見込まれている。
リウ氏は、停滞している市場構造法案を重要な立法課題として挙げ、超党派の支持を得て2026年初頭に可決されるだろうと予測している。また、アリゾナ、ネバダ、ジョージア、ミシガンといった激戦州の候補者たちも選挙公約に暗号資産政策を盛り込むと見られている。
暗号資産を裏付けとした予測市場が勢いを増す
リウ氏は、クラウドソーシングによる洞察を活用して結果を予測する予測市場は今後の成長が見込まれると述べている。こうしたプラットフォームは、十分な情報や知識に基づく予測に報酬を与えると同時に、より精度の高いマーケット・インテリジェンスを提供することを目指している。
デジタル資産トレジャリー企業の統合が進む
リウ氏は、2025年にデジタル資産トレジャリー(DAT)の立ち上げが相次いだ後、2026年にかけて合併や買収を通じた統合が進むと予測する。
彼は、暗号資産を単に保有するだけではもはや不十分であり、株主価値を維持するために、DAT企業は資本市場への関与やバランスシートの最適化を含む高度な財務管理能力を実証する必要があると指摘した。
国家が金準備の一部をビットコインに移す可能性も
リウ氏は、来年少なくとも1カ国が金(ゴールド)準備の一部をビットコインに転換すると予測している。彼は、即時送金可能、オンチェーンでの検証可能、分割可能といったビットコインの利点が政府系投資家の関心を惹きつけていると指摘した。
戦略的なデジタル資産フレームワークを有する米国が候補となる可能性がある一方、ドル依存からの分散化を図る国やGDPに対する金保有率の高い国々も、この転換を検討する可能性があるとしている。