アメリカが礎とする比類なき経済力は、世界の羨望の的である。この力は、世界の基軸通貨として米ドルが君臨してきたことに由来する。しかし近年、この覇権が揺らいでいる。過去の政権による怠慢、あるいは敵対国からの経済的な攻撃によって、米ドルに取って代わろうとする新たな通貨が台頭してきたのだ。その結果、アメリカが支配する金融機関へのアクセスを活用した影響力は弱まってきている。アメリカの通貨支配を損なおうとするこうした動きは、世界の金融システムの分断をもたらし、アメリカの国際的影響力の低下につながっている。
さらに、我が国の国家債務はまるで首にぶら下がる重しのように財政を圧迫し、唯一の超大国としての地位を維持する力を脅かしている。現在、国家予算のうち債務の利払いに充てられる金額は、医療や社会保障などの重要なサービスに充てられる予算を上回っている。この状況は、もはや容認できない。
ドナルド・トランプ大統領は、我が国のために大胆なビジョンを描いており、それを巧みに、かつ迅速に実行している。そのビジョンの柱のひとつが、アメリカによる通貨支配の復権、長期的な安定性の再構築、そして国際社会におけるアメリカの信頼性の再確認である。
「戦略的ビットコイン準備金(Strategic Bitcoin Reserve)」の設立に関する大統領令は、アメリカの覇権を取り戻すうえで、党派を超えた現実的な一歩として受け取るべきだ。大統領は、われわれがかつて金(ゴールド)を活用して米ドルを支えたように、ビットコインも同様に活用できると考えている。ビットコインは価値が上昇してゆく資産であり、我が国の債務を数年で削減、もしくは完全に解消する可能性さえ秘めている。大統領はその可能性を見据え、国家の利益のためにその力を活用しようとしているのだ。
この大統領令と並行して、私はワイオミング州選出のシンシア・ルミス上院議員が起草した法案に共同提出者として名を連ねた。この法案は、大統領のビジョンに基づく大統領令を法的に明文化し、制度として定着させるものだ。金融市場は確実性と安定性を必要とするが、それはビットコインにも当てはまる。大統領令を法制化することで、われわれは経済的強靭性と地政学的優位性を築くための取り組みに、確固たる安定性を与えることができる。
朗報は、われわれがすでに数十億ドル相当のビットコインを保有しているという事実である。ならば、それを活かし、増やし、われわれがこのゲームの初期段階にいるうちに、自国を守るために活用すべきだ。アメリカは航空、月面探査、近年では人工知能(AI)の競争で世界をリードしてきた。ビットコインに対しても、そのマインドセットは同じでなければならない。われわれこそが未来の金融イノベーションの本拠地であることを、世界に示す必要があるのだ。
私は以前から、「ビットコインやその他の暗号資産について、地元の人々、私が “Toby & Edith” (アメリカの中流層や高齢者など一般市民を象徴する架空の名前)と呼ぶ人々にきちんと説明する必要がある」と訴えてきた。彼らに伝えなければならないのは、これは安値の株を博打的に買うようなものではないということだ。金を支持するようにビットコインを受け入れることは、家族経営や中小企業にとっても公正な競争環境を提供し、成長と繁栄を可能にする手段となる。
この問題は現時点では比較的「党派色の薄い」ものとして扱われている。おそらくビットコインの仕組みを学ぶことへの関心の薄さ、あるいは単にその新奇さゆえだろう。しかし、いまこそ好機なのだ。ワシントンの関係者だけでなく、全米の “Toby & Edith” にも、戦略的ビットコイン準備金を活用することの利点を教えることができる。
教育と並行して必要なのは、イノベーションと経済成長を促す規制環境の整備だ。われわれは、この分野において最初から正しいアプローチをとらなくてはならない。私は上院農業委員会の一員として、デジタル資産規制に関する監督権限を持っており、実質的な議論を行ない、商品先物取引委員会(CFTC)と連携して成長を促進する規制枠組みを構築してゆくつもりだ。また、CFTCと米証券取引委員会(SEC)間におけるデジタル資産に関する監督権限の明確な区分も定めたいと考えている。
ワシントン内外からの支持を得ながら、ビットコインが我が国の安全と繁栄を支える可能性に私は期待している。われわれには成すべき仕事がある。私自身、そのために腕まくりをして取り組み、大統領が掲げるビットコインのビジョンを実現すべく尽力してゆくつもりだ。
本記事はJim Justiceによるゲスト寄稿です。記事内に述べられた意見は、完全に筆者個人のものであり、BTC IncやBitcoin Magazineの見解を必ずしも反映するものではありません。