連邦準備制度理事会(FRB)は本日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を3.50%〜3.75%へと変更した。今年3度目の利下げであり、10月以来の緩和措置となる。
声明によれば、今回の決定は雇用の最大化とインフレ率2%への回帰を意図したものだ。経済活動は緩やかな拡大を続けているものの、雇用の伸びは鈍化傾向にあり、インフレ率は依然として高止まりしている──当局は現状をそう分析する。
決定は全会一致ではない。大半のメンバーが引き下げを支持した一方、3名が反対票を投じた(1名はより大幅な引き下げを、2名は据え置きを主張)。今回の緩和は、インフレ圧力の和らぎと、成長が減速する中での経済下支えへの意志を反映している。なおFRBは、10月の利下げ以降、数回の会合で金利を据え置いていた経緯がある。
政策金利の見通し自体は据え置かれた。2026年および2027年にかけて、25bpずつの緩やかな利下げが示唆されている。2026年の経済見通しについては、失業率4.4%、PCEインフレ率2.4%、GDP成長率2.3%との予測が示された。
利下げ観測が高まっていたにもかかわらず、米10年債利回りは今月に入り上昇基調にある。足元の緩和策がインフレを再燃させ、結果として将来的な金利上昇を招くのではないか──投資家の間にはそんな警戒感がくすぶる。
FRB内部の意見対立が、市場の緊張感に拍車をかける。パウエル議長にとっては、トランプ大統領が後任を指名する前の、実質的に最後となる会合である可能性が高い。異例の不協和音の中で合意形成に腐心してきた同議長の任期が、一つの区切りを迎えようとしている。
一般論として、金利低下は家計や企業の借入コストを圧縮する。消費や設備投資を促し、金融市場全体におけるリスクテイクを後押しする要因となり得る。
🇺🇸 米連邦準備制度(FRB)、政策金利を0.25%利下げへ。 pic.twitter.com/tpKee9yVbV
— Bitcoin Magazine Japan (@BitcoinMagJapan) December 10, 2025
今回の決定以前から「インフレは沈静化しつつある」との指摘はあったが、市場コンセンサスはすでに25bpの利下げを織り込んでいた。同時に、この利下げはFRBが抱く「経済の先行きに対する懸念」のシグナルとも受け取れる。
FRBの前回の利下げとビットコイン
直近の緩和局面を振り返ろう。FRBは10月の会合でも25bpの利下げを行い、政策金利を3.75%〜4%のレンジへと引き下げた(9月に続く措置)。当時、ビットコイン価格は週初めの約116,000ドルから111,000ドル付近まで下落している。
その後、相場は一時80,000ドルの安値まで急落した。
利下げに対するビットコインの反応は、過去の事例を見ても一様ではない。2020年の緊急緩和時には激しいボラティリティを見せた一方、2025年9月の利下げ時には比較的静かな反応にとどまっている。
当時、パウエル議長は量的引き締め(QT)プログラムが終了に近いことも示唆しており、バランスシートの縮小は12月までに停止する見通しだ。これまで再投資を行わずに債券を償還させることで市場の流動性を吸収し、金利上昇圧力となっていたQTが終わる。これは市場環境にとって重要な転換点となるだろう。
本記事執筆時点において、ビットコインは激しい値動きを見せつつ、92,500ドル近辺で推移している。