Home記事ビットコイン価格が再び下落──いや、まだFRBのせいではない

ビットコイン価格が再び下落──いや、まだFRBのせいではない

ビットコインの価格がピニャータのように上下に揺れ動いている。いったい何が起きているんだ? 誰のせいなんだ? そして、それがパウエル議長やFRB、ビットコイン・トレジャリー企業と、そして、えっと、普通の市場が市場らしい動きをしていることと、いったいどんな関係があるのか?

……そして、またしてもビットコインの価格が急落した。8月24日の夜、ビットコインはフラッシュクラッシュを起こし、木星ほどの大きさの赤いローソク足を刻んだ。そして、さらに不気味なことに、25日の朝も下落を続け、11万1000ドルを下回った。

ここ、いわゆる「ビットコイン価格セラピー」の世界では、「どうして価格が動くのか、その理由は誰にもわからない」と言われる。しかし、時にはわかることもある……ただし、期待するほど正確にはわからない。今日はふたつの話題について話す。過去24時間のドタバタと、先週末の米連邦準備制度理事会(FRB)議長のジェローム・パウエル氏の発言だ。

手に負えないビットコイン価格

8月24日の遅い時間(ヨーロッパ時間)は実にひどいものだった。

こんなチャートを見せられて、「誰もわからない」とは言い難い。ビットコイン価格が数分で約3000ドルも急落した原因は、誰もが知っている。先週のような特定のマクロイベントでもない限り、“板(注文)”を食い荒らすのは、 a) 大量注文、もしくは(つまりは同じことだが)、 b) 大規模な清算だけだ。

24日は、その両方の兆候がいくらかあった。

あるいは……。

この市場は未成熟であり、ビットコイン市場がいかに小規模で流動性が低いかは滑稽なほどで、いまだに個々の市場参加者によって振り回されてしまう(ビットコインの世界ではいつものことだが、明らかに悪い出来事をよいことにすり替えようとする愚か者が必ずいるのだ)。

24日夜のビットコイン価格の2.5%の急落は“クジラ”の売りや一部の清算による一時的なものかもしれないが、夜通し、そして25日朝にかけての緩やかな斜め方向の下落(ビットコイン価格が11万1000ドルを下回る暴落)のほうが、はるかに懸念される。騒々しいクジラのことは無視して構わない…… いったい何が起きているんだ? 勝って当然のときに、なぜゆっくりと死にかけているんだ!?

世界中のマクロの矢印は正しい方向を指している。まともに評価すれば、ここから2倍または3倍になると予測されているのに、なぜビットコインの価格はこのレンジで下落しているのか?(いや、メタプラネット社の買い増し発表と同時に、あるいはそれに関連して11万1000ドルを下回ったわけでは決してない)

価格はやりたいことを何でもする。“シットコイン”もやりたい放題だ。

「ビットコイン価格セラピー」がまさに必要だ。ビットコイン価格は、理性や合理的な評価などまったくお構いなしに、好き勝手に動く。どんなに強気な状況でもまったく気にしない。「最大の苦痛」と言われる所以だ。マイケル・セイラー氏の100万ドル単位のドルコスト平均法ですら、大した効果をもたらさなかった。

魔法の茶葉を読むテクニックのひとつ(128日移動平均線)を使って「Bitcoin Magazine Pro」チームが教えてくれたところによると、価格は10万8500ドルに達する…… だから、おそらくそこまで行くだろう。セイラー氏らはすでに腎臓や椅子まで売り払ってしまったので(セイラー氏のX投稿“sell a kidney if you must, but keep the Bitcoin.”の引用)、いったい何が残っているのか気になるところだ。

もっと興味深く、かつ恐ろしいのは、その後もさらに下落を続け、新たな安値を更新し続けていることだ。もっともスクープっぽい説明をするなら、こうだ。春の間にコインを買い漁ったシットコイン企業(BTC Inc.のオーナーであるデイヴィッド・ベイリー氏が経営する企業もそのひとつで、最近約4100万ドルを燃やした)がもち堪えられず、いまや再び吐き出しているということだ。あるものは清算にまみれた赤いローソク足で、またあるものはゆっくりと擦り切れるような時間加重型の価格下落で。

あるサイファーパンクのOG(古参)はこの構造を理解しているようだ。

ビットコイン価格とパウエル議長の発言

時には、実際に市場で何が起こったのか(ある程度)わかることもある。例えば、先週の8月22日午前10時(東部時間)がそうだ。FRBのウェブサイトで金融政策枠組みに関する声明(または改訂版)が発表され、将来的に金融緩和が進む可能性があると広く解釈された。なぜ、そう言えるのか? その瞬間にすべての(実物)資産が急騰し、ドル指数が下落したからだ。

  • 9時59分49秒 ビットコイン価格は11万2393ドル(「Bitcoin Magazine Pro」のチャートによる)。
  • 10時00分49秒 1分後には、11万3459ドル。
  • その数分後、ニュースを受けてビットコイン価格は2.3%上昇、11万5000ドルに達した。

こうしたものこそが市場を動かす要因であり、この瞬間的な大きな動きによって、“これ”が原因だとかなり自信をもって言える。

(参考:9時59分、DXY=98.7。2分後には98.15、さらに1分後には97.8。わずか一瞬で1%の下落。これはDXYにとって大きな動きだ!)

これで原因は突き止められた。パウエル議長の演説か、または声明の発表だ。では、彼の発言のどの部分が市場に衝撃を与えたのか?

こうした発表、あるいはインフレ率やBLS(労働統計局)による失業率の発表では、単純な取引アルゴリズムがウェブサイトから瞬時に最新情報を取得し、瞬時に評価を行なう。そして多くの場合、二次的な取引効果がそれに続く。そして、この動きは人間による評価や知的な判断が加わると、10分、20分、30分後には反転することがよくある。結局、大したことではなかった、となるのだ。しかし、今回はそうではなかった。ビットコイン価格は週末を通して高値で取引され続けた(24日の日曜日に誰かがその楽しみを台無しにするまでは……)。

パウエル議長の先週の発言で明らかになったのは、

  • インフレはやや高いが、抑制されており、低下しつつある。
  • GDP成長は著しく鈍化している。
  • 失業率は安定し均衡している(ただし、需要と供給が同時に低下するという「奇妙な均衡」)→ リスクは全体的に上昇。
  • ……そして、彼らは「平均インフレ目標(誰も具体的に指定したことのない期間にわたって)」という誤った考えを完全に破棄するだろう。


「短期的には、インフレリスクは上昇傾向にあり、雇用リスクは下降傾向にある。これは厄介な状況だ」

 

しかし、パウエル議長は、これらのリスクは「われわれの政策スタンスの調整を正当化するかもしれない」と結論付けた。

パウエル議長の演説と声明発表から数分、数時間後、ビットコインの価格は11万7000ドルの最高値を付けた後、11万6000ドルまで下落した。これは、市場参加者がこの新しい状況を分析し、評価した有機的な動きだった。

ここで、私の「誰にもわからない」という見解は依然として有効だ。パウエル議長の発言のどの部分が重要だったのか、誰にもわからない。なぜなら、新しい情報は常に、市場参加者が事前に抱いていた期待と混ざり合い融合するからだ。そして、それが何だったのかを私たちが判断できるのは稀だからだ。こうした場当たり的で事後的な説明を繰り返すとき、私たちは事後合理化ゲームをしているようなものだ。それほど感心するものではない。

まったく情けない。私たちに必要なのは、ビットコイナーが貧困にあえぎ混乱することではなく、ビットコイナーが豊かになり繁栄することだ。

今回の「ビットコイン価格セラピー」は終了。香港で開催される「Bitcoin Asia」でお会いしよう。

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