6月30日、台湾の立法院は暗号資産サービス法を第三読会で可決した。これは台湾における暗号資産分野に関する初の包括的な法的枠組みとなる。立法院は法案を頼清徳(Lai Ching-te)総統に送付しており、総統は10日以内に署名し、正式に法律として成立させる見通しだ。
この法律は、台湾国内のすべての暗号資産サービスプロバイダーを対象とするライセンス制度を確立するとともに、金融監督管理委員会(FSC)に広範な監督権限を付与する。この法律の下では、暗号資産関連企業は台湾で事業を行なう前にFSCの認可を取得しなければならない。この認可制度は、取引所、取引プラットフォーム、送金業者、カストディ(資産保管)業者、引受業者、融資サービスなど、7つのカテゴリーの事業者を対象としている。
また、この法律は台湾初となるステーブルコインの規制枠組みを構築する。ステーブルコインの発行者は、トークンを発行する前に中央銀行とFSCの双方から承認を受けなければならない。さらに、この法律では発行者に対して、100%の準備資産を保有すること、その準備資産を信託財産として管理すること、定期的な監査および情報開示を実施することを義務付けている。
また、台湾国内におけるステーブルコインの発行は銀行に限定されており、この措置によって、この新たな資産クラスは既存の金融機関と密接に結び付けられることになる。
JUST IN: 🇹🇼 Taiwan’s legislature passes law establishing a regulatory framework for the Bitcoin and crypto industry.
“We’re officially entering a new era of digital finance.” 🚀
— Bitcoin Magazine (@BitcoinMagazine) July 1, 2026
ルール違反には最長7年の懲役
この法律に違反した場合の罰則は厳しい。無許可で暗号資産サービスを運営したり、承認を受けずにステーブルコインを発行した場合、最長7年の懲役刑と最高1億台湾ドル(約5億1000万円)の罰金が科される可能性がある。
また、詐欺や市場操作については、3年から10年の懲役刑に加え、1000万から2億台湾ドル(約5100万〜10億2000万円)の罰金が科される。
制度移行を円滑に進めるため、FSCは、法律施行前にマネーロンダリング対策(AML)登録を完了している事業者向けに経過措置期間を設けた。対象企業には、ライセンス申請を提出するのに12カ月、正式な認可を取得するのに最長21カ月の猶予期間が与えられる。FSCは、この期間を一度限り3カ月延長できるとも説明している。
この暗号資産法の可決により、台湾は、断片的なガイドライン中心の規制から単一の包括法令へ移行する国の仲間入りを果たした。ケニアとガーナはここ数カ月で暗号資産関連法を成立させており、アジア各国でも取引所やステーブルコイン発行者に対する規則の整備が進められている。
台湾のアプローチは、ライセンスを取得した事業者には門戸を開放する一方で、違反行為に対しては、地域内でも比較的厳しい刑事罰を科すというものだ。規制当局はこのバランスを、業界の発展を阻害することなく投資家を保護するための取り組みだと説明している。
台湾におけるビットコインと暗号資産の普及
今回の法案可決は、台湾政府がデジタル資産に対する姿勢をより積極的な方向へと転換してきた流れを反映したものだ。台湾政府は、約1800万ドル相当の210 BTCを保有していることを公表しており、政府関係者は戦略的ビットコイン準備金の創設や、ビットコインに関する包括的な規制の検討についても言及している。
この新法は、そうした政策目標に法的な基盤を与えるものであり、誰が事業を営むことができるのか、どのような条件の下で事業を行なえるのか、そしてルールを無視した者にはどのような法的ペナルティが課されるのかを明確に定めている。