トランプ氏の「攻撃延期」発言で7万1,000ドル台へ急騰
中東情勢を巡る不透明な報道を市場が消化するなか、ビットコインは先週末、6万8,000ドルを下回る水準で推移し、投資家の間には緊張が走っていた。
週明け月曜日の価格急騰の引き金となったのは、ドナルド・トランプ米大統領による発表だ。トランプ氏は、イランの発電所に対する攻撃計画を5日間延期すると表明。テヘラン側と敵対関係の「完全かつ全面的な解決」に向けた「非常に良好で生産的な」協議を行ったと言及した。Bitcoin Magazine Proのデータによると、この発表から数分以内にビットコインは日中高値となる7万1,811ドルまで急伸。その後、7万ドル付近まで値を戻している。この乱高下により、レバレッジをかけた仮想通貨ポジションのうち約7億9,100万ドルが強制清算され、そのうち4億2,500万ドルをロングポジションが占めた。
イラン側は交渉を否定、交錯する情報と市場の混乱
しかし、この上昇の勢いは長くは続かなかった。イラン外務省は国営メディアを通じ、トランプ氏が説明したような形での交渉が行われた事実を否定した。「我々は戦争を始めた当事者ではない。こうした要求はすべてワシントンに向けられるべきだ」と主張し、衝突を巡る根深い不確実性を改めて印象づけた。情報が錯綜するなか、週初めの取引はボラティリティ(価格変動)が支配する展開となっている。
伝統的金融資産を凌駕するビットコインのレジリエンス
こうした激しい値動きの一方で、より広いスパンで見ればビットコインは強固なレジリエンス(回復力)を維持している。米イスラエルによる空爆とそれに対するイランの報復、さらにホルムズ海峡の封鎖が発生した2月28日以降、ビットコインは約7%上昇した。これは、同期間に4.6%下落したS&P 500や、17%下落したゴールド(金)を大きく上回るパフォーマンスだ。なお、金価格は現在4,428ドル付近で推移している。
アナリストはこのアウトパフォームの要因として、ビットコインが12万6,080ドルのピークをつけた2025年10月以降、市場で数回にわたりレバレッジの解消が進んだことを挙げている。
マクロ経済指標との相関とテクニカルの節目
今週のボラティリティには、広範なマクロ経済要因も寄与している。月曜日には米10年債利回りが4.36%まで上昇。これは原油価格の高騰に伴うインフレ懸念を反映したものだ。2月のホルムズ海峡封鎖後に1バレル107ドルを超えて急騰したブレント原油は、月曜日に8%下落した。原油市場、インフレ期待、そしてビットコインのようなリスク資産が複雑に連動している状況が明確に示されている。
テクニカル面では、日足チャート上で対称三角形(シンメトリカル・トライアングル)の中にとどまっており、持ち合いの様相を呈している。Bitcoin Magazine Proの分析によれば、今週中に7万5,000ドルの抵抗線を明確に上抜けて維持できれば、8万5,000ドルから9万ドルへの上昇に道が開かれる。一方で、6万7,000ドルを割り込めば、直近安値を再テストする展開も予想される。執筆時点で、ビットコイン価格は7万1,000ドル付近で推移している。
