Block(ブロック)社は、4,000名を超える人員削減を断行する。全従業員の約半数に及ぶこの大規模な再編は、AI(人工知能)への集中と、徹底的に無駄を削ぎ落とした「運営モデル」への転換を意味している。
木曜日の株主書簡で明かされた計画によれば、1万人を超えていた人員は6,000人弱へと絞り込まれる。共同創業者兼CEOのジャック・ドーシーは、社内AIツールの全面的な統合によって、プロダクトの構築手法やチームの動かし方そのものが変容したことを強調した。
「創業以来、最も困難な決断だ」。ドーシーは従業員へのメモにそう綴っている。「組織をほぼ半分にする」。あえて段階的な削減を避け、一気呵成に組織を縮小させたのは、現場の不透明感を最小限に抑え、組織の迷いを断ち切るための経営判断だ。
対象となる従業員には、20週間分の給与に加え、勤続年数に応じた加算、5月末までの株式権利確定、6ヶ月間の医療保険、そして5,000ドルの移行支援を含む手厚いパッケージが用意された。
最高財務責任者(CFO)のアムリタ・アフラは、この決断が「強者の立場」からの攻めであると語る。実際、同社の2025年度第1四半期から第4四半期にかけての粗利益成長率は、2倍以上の加速を見せている。
市場は「身軽さ」を歓迎、株価は25%急騰
市場は、この徹底した効率化を熱烈に支持した。ティッカーシンボル「XYZ」で取引されるBlockの株価は、ニュースを受けて時間外取引で25%の爆発的な上昇を記録している。
2025年度の通期粗利益は103.6億ドル(前年比17%増)。さらに、2026年第1四半期の営業利益予想を6億ドルとし、市場コンセンサスの5.74億ドルを上回る強気の姿勢を示した。Cash Appの月間アクティブユーザー数も堅調であり、同社は通期の収益見通しを上方修正している。
AIが書き換える「会社経営の定義」
改革の核心にあるのは、社内で開発された「Goose」と呼ばれる独自のAIツールだ。エンジニアリング、カスタマーサービス、オペレーション全般においてワークフローを自動化し、生産性を劇的に向上させる。
「インテリジェンス・ツールは、会社を築き、運営することの意味を根底から変えた」。ドーシーは株主書簡でそう断言する。「我々が構築しているツールを使いこなす、より小さなチーム。それこそが、より多くを、より良く成し遂げることができるのだ」
Square、Cash App、そして消費者・加盟店向けのレンディングサービスを展開するBlockは、フィンテック分野の競合他社に後れを取っていた株価パフォーマンスを打破すべく、2024年から構造改革を続けてきた。
これまではパフォーマンス評価に基づいた段階的なリストラを行ってきたが、新体制ではAI主導のプロダクト開発を中心とした、より「フラットで小規模なチーム」へと組織を根底から作り直す。
この規模の削減が伴うリスクを、ドーシーも認めている。だが、自動化がテクノロジー産業の労働生産性を塗り替える今、立ち止まっていることこそが最大の脅威になる――。彼はそう確信している。