Home記事ビットコイン弱気相場は、なぜ「ほぼ終了」と言えるのか?底打ちを示すデータと理由

ビットコイン弱気相場は、なぜ「ほぼ終了」と言えるのか?底打ちを示すデータと理由

ドル建てチャートの見た目に騙されてはいけない。実質的な弱気相場は、多くの予想より早く終結する可能性が高い。ゴールド建て価格はすでに350日移動平均線を割り込み、主要なフィボナッチ・サポートに到達。「蓄積(買い集め)ゾーン」への突入を示唆するデータ分析を詳報する。

ビットコインはゴールドとの相関関係を維持できておらず、最近では市場の下落局面でのみ連動する傾向にある。しかし、ドル建てではなく「ゴールド建て」で価格変動を分析すると、現在の市場サイクルの全容がより鮮明に見えてくる。 ゴールドのような実物資産に対するビットコインの「真の購買力」を測定することで、潜在的なサポート水準を特定し、弱気サイクルがいつ終焉に近づくのかを見極めることが可能になるのだ。

主要サポート割れで、弱気相場が正式に始動

心理的な節目である「6桁の大台(10万ドル)」と、重要なサポートラインである350日移動平均線を同時に下抜けたことで、市場は実質的な弱気相場へ突入。ビットコインはその直後に約20%の急落を記録した。 テクニカル分析の観点からも、ゴールデンレシオ・マルチプライヤーを下回る推移は、歴史的にビットコインが弱気サイクル入りしたことを示唆している。しかし、ドル建てではなくゴールド建てで測定すると、さらに興味深い展開が見えてくる。

図1: ビットコインが350日移動平均線を下抜ける動きは、歴史的に「弱気相場の始まり」と一致している。ライブチャートを見る

ビットコイン対ゴールドのチャートは、ドル建てとは全く異なる景色を描いている。 ゴールド建てのビットコインは2024年12月に天井を打ち、そこからすでに50%以上下落している。一方、ドル建て価格のピークは2025年10月であったが、(ゴールド建てで見れば)前年の高値を大きく下回る水準にとどまっていた。 この乖離は、多くの市場参加者の認識よりもかなり早い段階から、実質的な弱気相場が始まっていた可能性を示唆している。 過去の弱気サイクル(ゴールド建て)と比較しても、現在の調整局面はすでに底打ちの目安となる「重要なサポートゾーン」に差し掛かっているようだ。

図2: ゴールド建てで見ると、ビットコインはすでに8月の時点で350日移動平均線を割り込んでいる。

過去のデータを紐解くと、2015年の弱気サイクルは86%の下落を記録し、底を打つまでに406日を要した。続く2017年のサイクルでは364日間で84%、前回のサイクルでは399日間で76%の下落幅となっている。

そして執筆時点現在、ビットコイン(ゴールド建て)は350日間ですでに51%下落している。 確かに、時価総額の拡大と市場への資金流入増加に伴い、下落率は徐々に縮小傾向にある。しかし、これはサイクルの根本的な構造変化というよりは、機関投資家の参入や、長期保有・紛失によって市場から隔離されたビットコインの影響(希少性の高まり)を反映していると言えるだろう。

図3: ビットコイン価格をゴールド建てでチャート化すると、今回の弱気相場がすでに「90%」消化されている可能性を示すサイクル・パターンが浮かび上がる。

複数サイクルの「収束」が示唆する、弱気相場の底

下落率や経過時間といった単純な要素だけでなく、複数のサイクルにわたる「フィボナッチ・リトレースメント」を適用することで、分析の精度はさらに高まる。過去のサイクル全体(底から天井まで)にこのツールを当てはめると、注目すべき「収束(コンフルエンス)」が浮かび上がってくる。

図4: 過去のサイクルにおいて、弱気相場の底は重要なフィボナッチ・リトレースメント・レベルと一致してきた。

2015年から2018年のサイクルを振り返ると、弱気相場の底はフィボナッチの0.618レベル(ビットコイン1枚あたり約2.56オンスのゴールド)で形成された。その後の値動きは、ドル建てチャートと比較しても驚くほどノイズが少なく、テクニカル的に綺麗な底打ちパターンを示している。

続く2018年から2022年のサイクルでは、底値は0.5レベル(約9.74オンス)とほぼ完璧に一致した。さらに重要なのは、次の強気相場で価格が回復した際、このレベルが「意味のあるレジスタンス(抵抗帯)」から「サポート(支持帯)」へと鮮やかに転換(ロールリバーサル)した点だ。

ゴールド比率を「ドル建てターゲット」に換算する

では、これを現在の相場に当てはめるとどうなるか。 前回の弱気相場の安値から現在の強気サイクルの高値までを測定すると、主要なフィボナッチレベルは以下のゴールド価格(オンス)に位置する。

  • 0.618レベル: 約22.81オンス
  • 0.5レベル: 約19.07オンス

現在のビットコイン価格は、これら2つのレベルのほぼ中間で推移しており、実質価値(ゴールド建て)で見れば、すでに魅力的な買い場にあると言えるだろう。

図5: 対ゴールドのチャートにフィボナッチを適用して安値を予測し、それをドル建て価格に換算することで、ビットコインがどこで底を打つ可能性があるかを示している。

さらに、異なるサイクルのフィボナッチレベルを重ね合わせると、複数の重要なラインが重なる「収束ポイント」が見えてくる。これを現在のドル建て価格に換算すると、以下のターゲットが導き出される。

  1. 約8万9,160ドル(現在のサイクルの0.786レベル/約21.05オンス)
  2. 約8万ドル付近(前回のサイクルの0.618レベル)

もしビットコインがここからさらに深掘りする展開となった場合、次の主要なサポート(防衛線)は約6万7,000ドル付近となる。これは、フィボナッチの0.382レベル(約15.95オンス)から導き出される理論値だ。

結論:弱気相場はすでに「90%」終わっている

結論として、ビットコインはドル建てチャートの見た目以上に、長い期間「実質的な弱気相場」に晒されていた可能性が高い。 ゴールドやその他の実物資産と比較した場合、ビットコインの購買力は2024年12月以降、すでに大幅な調整を済ませているからだ。

複数のサイクル検証、そしてドル換算されたフィボナッチレベルの分析は、6万7,000ドルから8万ドルのレンジに強力なサポートが収束していることを示している。

もちろん、この分析は理論モデルであり、市場が完璧にこの通り動くとは限らない。しかし、異なる時間軸や評価手法を用いた複数のデータポイントが、同じ結論を指し示している事実は重い。それは、弱気相場が多くの市場参加者の予想よりも早く、終焉に近づいているという可能性だ。


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免責事項:
この記事は情報提供のみを目的としており、投資アドバイスとして解釈されるべきではありません。投資判断を行う前に、必ずご自身で調査を行ってください。

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  • Matt Crosby

    MattはBitcoin Magazine Proのリードアナリストとして、ビットコイン市場の動向に関する専門的な視点を提供しています。オンチェーン分析、マクロ経済のトレンド、そしてより広範な金融市場との交差点に注目しながら、短期および長期の展望に関するインサイトを発信しています。

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Matt Crosby
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