テスラ社とSpaceX社のCEOであるイーロン・マスク氏は、ビットコインをエネルギーに根ざした「根源的な物理通貨」と表現し、ビットコインをめぐる議論を再燃させた。
マスク氏は、ニヒル・カマート氏との最近のポッドキャストで、ビットコインの価値は現実世界のエネルギー消費に結び付いていると力説し、デジタル資産と従来の法定通貨の違いを強調した。
「エネルギーこそが真の通貨だ。だからこそ、私はビットコインはエネルギーに基づいていると言った。エネルギーを法制化することは不可能だ。法律を制定したからといって、いきなり大量のエネルギーを生み出すことはできない」と、マスク氏は語った。
テスラの創業者は、エネルギーの生産と利用の難しさに言及し、ネットワークの安全性を維持するために膨大な計算能力と電力を必要とするビットコインのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)システムと関連付けた。
また彼は、社会の進歩を理解するためのレンズとして、文明のエネルギー消費量でその発展段階を測定する「カルダシェフ・スケール」に言及。文明をエネルギーの生産と管理能力で評価することは、希少性と計算努力が価値の基盤となるビットコインの設計原理を反映していると示唆した。
さらに未来を見据えて、マスク氏は人工知能(AI)とロボティクスの進歩により、貨幣そのものが不要になる可能性があると主張した。
彼は「誰もがなんでも手に入れられる未来では、労働力の割り当てのためのデータベースとしてお金は必要なくなると思う」と述べ、超知能マシンが貨幣システムなしで資源管理を行なう社会の青写真として、作家イアン・M・バンクスが“ポストスカーシティ”を描いた小説「カルチャー」シリーズを例に挙げた。
イーロン・マスク氏が語ります。#ビットコイン は「エネルギーを基盤とした、本質的な通貨」だと 👀
「エネルギーこそが本当の通貨だ」 pic.twitter.com/q0GOZDoaI5
— Bitcoin Magazine Japan (@BitcoinMagJapan) November 30, 2025
マスク曰く「エネルギーは刷れない」
マスク氏はビットコイン独自の特性をさらに強調した。政府が意のままに発行できる法定通貨とは異なり、ビットコインのPoWシステムは、その生成をエネルギーと計算能力に結び付けており、ビットコイン固有の希少性と政治的影響からの相対的な独立性を与えている。
「政府は紙幣を刷ることはできるが、エネルギーを刷ることはできない」と、マスク氏は語った。
マスク氏は、エネルギーがより根本的な価値尺度として機能する未来を思い描いている一方で、現在は伝統的な貨幣が依然として支配的であることを認めている。
法定通貨は依然として商取引、賃金、貯蓄を支配しているが、ビットコインのような暗号資産は日常的な決済手段ではなく、代替資産として存在している。
マスク氏の発言はビットコインの哲学的基盤を思い起こさせるもので、政策や政府の管理ではなく、ビットコインを物理学やエネルギーに根ざしたものとして位置付けている。