ブルームバーグの報道によると、世界中のビットコイン・マイニング機器の大半を製造する中国企業のBitmain Technologies(ビットメイン・テクノロジーズ)社は、その製品が国家安全保障上のリスクをもたらすかどうかを調査する米連邦捜査の対象となっている。
国土安全保障省(DHS)が主導するこの調査、通称「オペレーション・レッドサンセット」では、同社のマイニング・マシンが遠隔操作され、スパイ活動や米国の重要インフラの破壊工作に利用される潜在的リスクが検証されたと報じられている。
Bitmainはこのような機能を否定しているが、捜査当局は港湾で同社の製品を検査し、チップやコードを分析して潜在的な脅威を調査したとされている。
同社のハードウェアは長年にわたり厳しい監視の対象となってきた。
2017年の「Bitcoin Magazine」の記事では、BitmainのAntminerデバイスにはリモートシャットダウンを可能にするコードが含まれていると指摘されたが、Bitmainはこれを盗難防止機能であるとし、その後に修正されたと説明した。同様の懸念は2019年にも再浮上している。
2024年5月、当時のジョー・バイデン大統領は、ワイオミング州の核ミサイル基地付近にある暗号資産マイニング施設を国家安全保障上のリスクを理由に停止させた。外国製のマイニング機器が機密施設付近に存在すると、監視やスパイ活動が容易になる可能性があると、対米外国投資委員会(CFIUS)は指摘した。
Bitmainは、米国法を遵守しており、中国政府とはいっさい関係がないと繰り返し表明してきた。また、同社は「オペレーション・レッドサンセット」や輸入関連の捜査についても認識していないと否定している。
2025年1月、米商務省は、BitmainのAI関連会社であるSophgo Technologies(ソフゴ・テクノロジーズ)社をHuawei(ファーウェイ)社との取引疑惑を理由にブラックリストに追加した。これにより、同社と北京との関係についての懸念がさらに高まっていた。
Bitmainとトランプ・ファミリーのつながり
この捜査はトランプ・ファミリーの暗号資産事業と絡んでいる。ブルームバーグの報道によると、エリック・トランプ氏とドナルド・トランプ・ジュニア氏はAmerican Bitcoin社に投資しており、同社は最近Bitmainのデバイス1万6000台を3億1400万ドルで購入し、その支払いをビットコインで行なっている。
この新興企業は、米国とカナダ全土で7万6000台のマイニング・マシンを稼働させる計画を立てている。American Bitcoinは、自社の事業は厳格なセキュリティ基準に準拠しており、Bitmainのハードウェアが米国の電力網や国家安全保障に重大なリスクをもたらすことはないと主張している。
この問題は超党派の注目を集めている。2025年7月の上院情報委員会の報告書は、Bitmainのデバイスの「憂慮すべき脆弱性」を指摘し、それらを発電所や軍事施設の近くで使用する施設は「容認できないリスク」をもたらすと警告した。
共和党のザック・ナン下院議員も、より広範な政策面の影響を評価するために、CFIUSに外国のマイニング機器に搭載されている特殊チップの審査を要請した。
米国が外国製の暗号資産技術の監視を続けるなか、この事件は、特に著名な政治関係者が関与している場合、急速に拡大するデジタル資産産業と国家安全保障上の懸念との間の緊張関係を浮き彫りにするかたちとなった。