ビットコイン価格はすでに力強い強気相場を経て、現在、価格変動の陶酔局面に突入しようとしているように見える。しかし、このサイクルは本当に米ドル建ての価格チャートが示唆するほど目覚ましいものなのか? それとも、ビットコインはほかの資産や過去のサイクルと比較して、実際にはパフォーマンスが低迷しているのだろうか? この分析では、数値を掘り下げ、複数のサイクルを比較し、ビットコインのパフォーマンスを対米ドルだけでなく、金(ゴールド)や米国テック株などの資産とも比較することで、現在の立ち位置をより明確に提示する。
過去のビットコイン価格サイクル
Bitcoin Growth Since Cycle Lows(サイクル安値以降のビットコイン成長)チャートでは、一見するとデータは有望に見える。本稿の執筆時点で、ビットコインは前回の弱気相場終盤の安値から約634%のリターンを達成している。これは価格変動だけでなく、強固なファンダメンタルズにも支えられた大きな上昇だ。ETF(上場投資信託)やビットコインのトレジャリー保有を通じた機関投資家の蓄積は堅調で、オンチェーンデータは長期保有者の多くが利益確定を拒んでいることを示している。歴史的に見て、これは強気サイクル後期の力強い上昇局面の前兆となる状況であり、以前のサイクルで見られた状況と似ている。

現在のビットコイン価格サイクル
TradingViewの米ドル建て価格チャートを見ると、現在のビットコイン価格サイクルは安定性の面ではまったく悪くない。このサイクルにおける最大のリトレースメントは約32%で、10万ドルを突破した後に約7万4000〜7万5000ドルまで下落した際に発生した。この調整幅は、過去のサイクルで見られた50%以上の下落に比べるとはるかに穏やかだ。ボラティリティの低下は上昇余地の低下を意味する可能性もあるが、投資家にとって市場の危険性は軽減されている。価格構造は「ステップアップ」パターンをたどっており、急騰後に不安定な調整局面を経て、再び上昇、過去最高値に向けて繰り返し上昇している。ファンダメンタルズの観点からも、市場は依然として堅調だ。

ビットコイン価格 vs. 他資産
米ドルよりも安定した資産、例えばNASDAQや米国のテック株とビットコインを比較すると、異なる様相が浮かび上がる。米国のテック株も高成長の投機的資産であるため、この比較はBTC対米ドルよりも直接的な比較となる。ここでは、ビットコインのパフォーマンスはそれほど目を見張るものではない。現在のサイクルでは、過去の高値を超える上昇は最小限にとどまっている。しかし、チャートは現在ビットコインが以前の抵抗をサポートに転じていることを示しており、これがより持続的な上昇の基盤を築いている可能性がある。また、前回のダブルトップサイクルを見ると、2番目のピークはかなり低いレベルであることがわかる。これは、前回のサイクルにおけるビットコインの2番目のピークは、真のアウトパフォーマンスというよりも、グローバルな流動性の拡大と法定通貨の価値の低下によって引き起こされた可能性を示唆している。

「デジタル・ゴールド」という物語は、BTCと金を比べるという、もうひとつの重要な比較を喚起する。金建てで換算すると、ビットコインは2021年の過去最高値をまだ超えていない。つまり、2021年のピーク時にBTCを購入し、現在まで保有している投資家は、単に金を保有していた場合と比べてパフォーマンスが低かったことになる。前回のサイクルの底値以降、ビットコインは金に対して300%以上のリターンを上げているが、金自体も力強い強気相場を続けている。金で換算することで、法定通貨の価値下落の影響が除かれ、BTCの「真の購買力」が明らかになる。

真の購買力
さらに一歩踏み込んで、ビットコイン対金のチャートを世界のM2マネーサプライの増加に合わせて調整すると、より厳しい状況が浮かび上がる。近年の世界経済への巨額な流動性供給を考慮すると、「流動性調整済み金」ベースでのビットコインのサイクルピークの価格は、依然として前回のピークを下回っている。これは、実質購買力ベースで新たな高値が出ていないため、小口投資家の熱狂が薄れていることを説明する一助となる。

結論
これまでのところ、ビットコインの強気相場は米ドル建てで見ると、目覚ましい成果を上げており、安値から600%以上の上昇と比較的低いボラティリティでの上昇が続いている。しかし、米国のテック株や金といった資産と比較した場合、特に世界的な流動性の拡大を考慮すると、そのパフォーマンスはそれほど驚異的ではない。このデータは、このサイクルにおける上昇の大部分が純粋なアウトパフォーマンスではなく、法定通貨の価値下落によって支えられていた可能性を示唆している。特に、ビットコインが流動性調整済みの抵抗線を突破し、さらに高値を目指すことができれば、依然として大幅な上昇余地はあるものの、投資家はこれらの比率チャートにも細心の注意を払う必要がある。これらのチャートは相対的なパフォーマンスをより明確に示し、ビットコイン価格が次にどこへ向かうのかについての貴重な手がかりとなる可能性がある。
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免責事項:本記事は情報提供のみを目的としており、金融アドバイスを意図するものではありません。投資を行なう前に必ずご自身でリサーチを行なってください。
