ビットコインが(謙虚に)誕生した当初は、取引所が存在せず、ビットコインを購入することはできなかった。保管用のハードウェアウォレットも存在せず、インフルエンサーやブラックロック社のマーケティングチームによるプロモーションさえもなかった。
ただあったのは、サトシ、何人かのサイファーパンク、リバタリアン、オタク、そして、ほとんどの人が「オタクの実験」として却下したプロトコルだった。
当時、その技術はまだ初期段階だった。コードには数々の問題があり、未来はサイファーパンクの夢物語に過ぎなかった。そのアイデアはほとんどの人々にとって突飛なものだった。そして率直にいって、いまでもほとんどの人にとっては……。
ご存じの通り、最初の1年間、ビットコインには価格すらなかった。それはマイニングされ、共有され、物々交換されていた。コードは公開されており、実験して、試してみるというインセンティブがあった。
しかし、ひとりの男がピザを買ったというシンプルな行為で行動ですべてが変わったのだ。
現在、ビットコインの価格は11万4000ドルでかろうじて推移している。週末に一時的に11万1000ドルまで下落し、地政学的な緊張が高まり続けているにもかかわらず、ビットコインの全体的な上昇トレンドは技術的には維持されている。もちろん、これは「ビットコイン・チャート」に基づくものだ。「これがピークなのか、それとも次の歴史的なチャンスがすでに到来しているのか?」と、疑問に思う人もいるかもしれない。
ビットコインを購入すべきベスト・タイミング7
1. 無価値の時代(2009〜2010年)
ビットコイン価格帯:$0.00〜$0.01
10万ドルへのリターン:約+1,000,000,000%
ビットコインは誕生から9カ月間、価格がつかなかった。売る人も買う人もいなかった。マイニングされ、フォーラムで議論されるだけで、外の世界からはほとんど注目されなかった。
2009年10月、NewLibertyStandard取引所が、電気料金に基づいてビットコインの価値を計算する方法を公開した。この手法では、1309 BTCを1ドルに固定した。これは現代的な意味での取引所ではなかったが、基準価格の確立に貢献した。
2009年10月12日、ビットコインと法定通貨の初めての交換が行なわれた。PayPal経由で5050 BTCが5.02ドルで交換、1 BTCあたり0.00099ドルという暗示的な価格だった。これがビットコインが実経済に触れた最初の瞬間だった。
次にラズロ・ハニエツ氏が登場した。
2010年5月22日、彼は1万 BTCを「パパ・ジョンズ」のピザ2枚と交換した。これが、ビットコインと実物商品の交換として記録された最初の事例だ。当時のビットコイン価格は約41ドルで、最初の公開市場価格(1BTC=約0.0041ドル)を記録した。
この瞬間から、ビットコインはビットやバイトを超越し、通貨となった。少なくとも、そのプロセスが始まったのだ。
当時、ビットコインを購入(あるいはマイニング)していた人は、利回りを追い求めていたわけではない。ほとんどの人が理解していなかった反中央銀行的な金融システムに、信念をもって飛び込んだのだ。2010年のオーバーフロー・バグは修正されたばかりだった。ウォレットは存在せず、明確な法的基準もなかった。ただ、揺るぎない信念だけがあった。
もし、この時点でビットコインを購入していたなら、あなたは間違いなく伝説の人物だ。
ビットコインを買うにはよい時期だった。
2. ドル平価の時代(2011年)
ビットコイン価格帯:$1〜$30
10万ドルへのリターン:約+10,000%〜+100,000%
2011年2月にビットコインが1ドルに達したとき、それは心理的なマイルストーンを迎えた。突如として「価値のあるもの」になったのだ。
しかし、価格は長くは続かなかった。数カ月のうちに30ドルまで急騰したが、その後90%下落して2ドルとなった。
その間、サトシは静かにプロジェクトから姿を消した。マウントゴックス(Mt. Gox)社は取引所の取引高を独占していたものの、すでに不安定さの兆候をみせていた。この時期を乗り越えた人々は「ダイヤモンドハンズ」をもっていたわけではない。ほかに信じるべきものなどなかったのだ。彼らは「ツーリスト」ではなく、「アーリーアダプター」だった。安全だから買ったのではなく、代替手段である法定通貨がすでに機能不全であることが証明されていたからこそ買ったのだ。
ビットコインを買うにはよい時期だった。
3. マウントゴックス崩壊後(2014〜2015年)
ビットコイン価格帯:$250〜$315
10万ドルへのリターン:約+31,000%
2014年、かつて世界のビットコイン取引の70%を担っていたマウントゴックスが崩壊した。85万 BTCが消失し、ビットコイン価格は1100ドルから300ドル以下に下落した。「ビットコインは死んだ」という見出しが世の中に躍り出た、またしても。
しかし、ビットコインは新しいブロックを次々と生成し続けた。諺にあるように、チクタクと音が鳴り響き、時は進んでゆく。
マウントゴックスがビットコインではないこと、つまり中央集権型の取引所がネットワークを定義するわけではないことを理解していたなら、金融史上もっとも誤解された暴落のひとつの場面で購入することができたはずだ。リスクは現実のものであり、チャンスは非現実的なものだった。
ビットコインを買うにはよい時期だった。
4. ICOバブル崩壊後(2018〜2019年)
ビットコイン価格帯:$3,200〜$7,200
10万ドルへのリターン:約+1,300%〜+2,000%
2017年は目まぐるしい一年だった。ICO、イーサリアム、シットコイン(無価値なコイン)があちこちに飛び交い、ランボやムーンショット(爆上げの期待)の話も飛び交っていた。
しかし、2018年1月にはバブルが崩壊。ビットコインは80%以上も暴落し、ほとんどのアルトコインは95%以上暴落した。規制当局は取り締まりを強化し、暗号資産業界全体は深刻な弱気相場に突入した。
ビットコイン価格は、2018年12月に3200ドルで底打ち。ほとんどの人がビットコインから離れ、そして、二度と戻ってこない人も多かった。
しかし、静かに重要な出来事が進行していた。カストディの改善、ライトニングネットワークの稼働開始。金融機関は見守っていた。そして、その静寂の下で、次のサイクルが醸成されつつあった。
その時によく考えていれば、あなたはこの列車がどこに向かっているか理解できたはずだ。
ビットコインを買うにはよい時期だった。
5. COVID禍の経済危機(2020年3月)
ビットコイン価格帯:約$4,000
10万ドルへのリターン:約+2,400%
2020年3月、世界は一変した。市場は崩壊し、ビットコインは1日で8000ドルから4000ドル未満まで50%以上も下落。
マクロ経済やトレーディングの経験がある人、あるいは市場動向に敏感だった人は、この事態を予測していたかもしれない。しかし、そうでない人々にとっては、まさに目の覚めるような警鐘だった。レポ市場の亀裂が市場に懸念を引き起こしてからわずか数カ月後、法定通貨システムの脆弱性が露呈した瞬間だった。
8月にはマイクロストラテジー(現ストラテジー)社が登場した。マイケル・セイラー氏は、現金を「溶ける氷の塊」と呼び、2億5000万ドルを元手にバランスシートをビットコインに転換した。
この動きは機関投資家によるドミノ倒しを引き起こし、Square、テスラ、銀行、政府系機関がそれに続いた。
3月の暴落時にビットコインを購入した人は、ほかの人が気づかなかったことを理解していたはずだ。ビットコインは問題の一部ではなく、解決策だったということを。
ビットコインを買うにはよい時期だった。
6. FTXの崩壊後(2022年末)
ビットコイン価格帯:$15,500〜$17,000
10万ドルへのリターン:約+588%〜+666%
2021〜2022年の強気相場は、いつものように急騰するピークを迎えなかった。代わりに、ゆっくりと下落し、多くの人々を不意打ちにした。下落が終わりに近づいたようにみえたそのとき、FTXは崩壊した。わずか48時間で、サム・バンクマン=フリード氏はメディアの寵児(そして、ビットコイン・コミュニティにとっては詐欺師)から、誰もが認める完全な詐欺師へと転落した。ビットコインは11月に1万5500ドルまで暴落した。
FTXは突如として急騰した。そして、振り返ってみると、その急落は避けられないものだった。
私は、プレストン・ピッシュ氏がその落ちてくるナイフをつかんだ瞬間を覚えている。退役軍人の体格は人それぞれだ。この時点でビットコインを積んでいた人は、ギャレス・ソロウェイ氏の1万ドルの予測には耳を傾けなかった。自分を信じ、雑音を遮断し、そして、当然の報酬を手にした。
ビットコインを買うにはよい時期だった。
7. ETF承認前(2024年1月)
ビットコイン価格帯:$43,000〜$50,000
10万ドルへのリターン:約+100%〜+132%
ビットコインは10年以上にわたって小売市場に支えられてきた。開発者、一般の人々、マイナー、マキシ(信者)……彼らはアーリーアダプターだった。真の信者たちだ。ウォール街から傍観者が笑うなか、彼らはビットコインを購入し、保有し、知識を深めていった。
そして、2024年1月、ダムが決壊した。
何年にもわたる法廷闘争と遅延の末、SEC(米証券取引委員会)は11本の現物ビットコインETF(上場投資信託)を承認した。その後、史上最速の成長を記録したETFが次々と上場。ブラックロック、フィデリティ社、フランクリン・テンプルトン社が続々と参入。「マネーの壁」が到来した。
賢い投資家はブラックロックの金融商品を買っていたわけではない。先行したのは、まだCNBCがそれを「チューリップ」と呼んでいたころに購入し始めた個人投資家たちだ。ETFはビットコインのファンダメンタルズを変えるのではなく、単に新たな資金を解き放つだけだと理解していた投資家たちだ。
ETFが承認される前に5万ドル以下で購入したことは、計算された先見の明といえる。あなたは遅かったのではなく、またしても早かったのだ。
ビットコインを買うにはよい時期だった。
それで……いまはどうか?
ビットコインの価格は11万ドルを上回る水準で推移している。多くの人にとって、大きなチャンスは過ぎ去ったように感じるかもしれない。
しかし、それは近視眼的な見方に過ぎない。
ビットコインの価格を時間、採用状況、ネットワーク効果に対してマッピングする数学モデルであるパワーロウ理論(PLT:べき乗法則理論)によると、私たちは現在のサイクルの途中にいるに過ぎず、完全な世界的な収益化への道のりのほんの一部を歩んでいるだけかもしれない。
PLTの公式は「価格 = 年齢^(5.7)」。例えば、
- 年齢8 → 約$1,400
- 年齢12 → 約$14,000
- 年齢16 → 約$73,000
- 年齢24 → 約$737,000
現在、ビットコインは年齢16年目だ。
注目すべきは、ビットコインの発行後年数が2倍になると、価格は約50倍に上昇し、発行後年数が50%増加すると、価格は10倍に上昇する点だ。べき乗則がこれまで10年以上にわたって継続してきたように今後も継続すれば、今後8年間で価格は10倍に上昇する可能性がある。
そして、これは同じ方向を指し示すいくつかの長期的モデルのうちのひとつに過ぎない。
PLT、ストック・トゥ・フロー、クォンタイルモデル、メトカーフの法則、その他の予測方法についてさらに詳しく知りたい場合は、ビットコイン価格予測を参照のこと。これは、数日間ではなく数十年先を見据えて、じっくり考察するためのツール、チャート、モデルを提供するように設計されている。
あなたは遅くない、ただ早かっただけだ……。よりよい情報と長期的な視点をもつことで、ビットコインの価値が今後も上昇し続けるのを期待するべきだ。
だからいまは、ビットコインを買うにはよい時期だ。