ホワイトハウスがビットコインや暗号資産の関連企業、政治的な保守団体の銀行取引を停止させた銀行を取り締まる準備を進めるなか、ビットコインの価格は11万5000ドルで堅調に推移している。
「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」紙の新しい報道によると、トランプ政権は、政治的信条やビットコインおよび暗号資産とのかかわりを理由に顧客へのサービスを拒否した銀行に罰則を科す大統領令を最終決定している。この動きは、デジタル資産業界にとって有利に働く大きな政策転換となるだろう。
「ホワイトハウスは、保守派や暗号資産関連企業に対する差別とみなされる行為をとった銀行への圧力を強める準備を進めており、政治的な理由で顧客を排除した銀行に対して罰金を科すと警告する大統領令を発する予定だ」と、WSJは報じた。
WSJが閲覧した大統領令の草案は、連邦規制当局に対して、金融機関が信用機会均等法、独占禁止法、消費者金融保護法などの法令に違反していないかどうかを調査するよう指示している。違反が確認された場合、違反者は罰金、同意判決、その他の処分の対象となる可能性がある。
この大統領令は、ビットコインや暗号資産関連企業からの長年にわたる苦情を受けて発令される。これらの企業は、バイデン政権下で伝統的な銀行サービスから組織的に締め出されてきたと訴えている。その多くは、当座預金口座の維持、決済処理業者へのアクセス、あるいは基本的な信用サービスを受けることさえ困難になっており、これは「クリプト・デバンキング」として知られている。
銀行は、法的、規制上、または財務上のリスク、特にマネーロンダリング防止法の遵守に関する懸念を理由に、自分たちの決定を正当化してきた。しかし、今回の草案によると、規制当局は、銀行離れを助長した可能性のある内部規定を廃止し、連邦融資プログラムへの銀行の参加状況を見直すよう指示されることになる。
草案では特定の銀行名は明記されていないものの、バンク・オブ・アメリカがウガンダで活動するキリスト教系非営利団体の口座を閉鎖したとして非難された件に言及している。同行は、米国外で事業活動を行なう中小企業にはサービスを提供していないと反論した。
この草案では、1月6日の議事堂襲撃事件に関する連邦捜査への銀行関与も批判しており、金融部門におけるイデオロギー上の標的化とみなすものに立ち向かうという政権の意図をさらに示している。
WSJは「銀行はトランプ政権の潜在的な措置を懸念している」と指摘し、同様の大統領令をめぐる議論に関する6月以前の報道にも言及した。
バンク・オブ・アメリカの広報担当者は「当行は詳細な提案を行なっており、引き続き政権や議会と協力して規制の枠組みを改善してゆく」とコメントした。
この大統領令は早ければ今週中にも署名される可能性があり、規制当局は違反の可能性を司法長官に報告するよう指示されている。銀行へのアクセス回復に向けた取り組みによって、長らく米国の銀行システムの周辺で活動してきた暗号資産関連企業にとって重要なインフラが解放される可能性があり、この政策は大きな転換点となるかもしれない。