国際決済銀行(BIS)が発表した新たなレポートによると、ビットコインおよびその他の暗号資産は、経済的なストレスのある時期により多く利用されていることが明らかとなった。特に、インフレーション率が高騰している国々、送金手数料が高額な国々、または政府によって資本規制(国外への資金流出制限)が課されている国々では、この傾向が顕著だ。
レポートによれば、金融システムが正常に機能しなくなったり、伝統的な手段による取引コストが高騰したりした際に、人々は、ビットコインや、USDT(テザー)やUSDC(USDコイン)といったステーブルコインの利用に切り替えているという。特に少額の国際送金の場合に顕著で、従来の銀行や法定通貨に依存できなくなったとき、暗号資産が選択肢として機能している状況を示している。
A new BIS paper on Bitcoin dropped yesterday. To cut through the jargon:
It concluded that Bitcoin use rises when inflation surges, remittances get pricey, and capital controls increase.
In other words, when people need it most.
Source: https://t.co/pVpNv9XZDl pic.twitter.com/dTjbLnN30F
— Sam Callahan (@samcallah) May 9, 2025
困難な時代、ビットコインは「道具」として機能する。
BISのレポートは、暗号資産業界の関係者の多くがすでに実感していることを裏付ける内容となっている。つまり、ビットコインはもはや単なる投資対象ではなく、地域によってはライフラインになっているという現実だ。現地通貨の価値が急落したり、国際送金が困難または高額になったりした際に、人々はビットコインを利用することで自らの資産を守り、より速く、より安く、そして自己の管理下で送金を行なっている。
またBISは、国家が資金の流入・流出を管理する資本移動規制を導入した際、暗号資産の利用がしばしば増加することも指摘している。言い換えれば、そのような規制を回避するために、人々はビットコインやその他の暗号資産を選択しているということだ。

暗号資産による国際送金が急増中。
BISは、暗号資産取引所のデータやアプリの利用パターンをもとに、2017年から2024年半ばまでのビットコイン、イーサリアム、USDT、USDCによる国際送金の動向を可視化した。それによると、暗号資産のクロスボーダー取引の総額は、2017年第1四半期の70億ドル未満から、2021年第4四半期には8000億ドル超に急拡大。その後、暗号資産市場の低迷により2022年には約4000億ドルに減少したが、2024年第2四半期には約6000億ドルにまで回復したという。この動きは、暗号資産が国際送金手段として存在感を増していること、そして、経済状況や市場の変動に応じた暗号資産需要の性質を示している。

当初、国際送金に占めるビットコインの割合は約80%にのぼっていた。しかし、現在その比率は25%未満にまで低下しており、多くの人々がステーブルコインを利用するようになっている。この変化はビットコインの有用性が低下したことを意味するものではない。むしろ、人々がニーズに応じて適切なツールを選ぶようになったことを示しているにすぎない。
暗号資産の利用は、「居住地域」ではなく「必要性」に基づく。

一般的な銀行とは異なり、ビットコインの利用は居住地や使用言語に大きく依存しない。BISのレポートは、人々がビットコインを使うのは「流行しているから」ではなく、「必要に迫られて」だと指摘する。さらに、世界的な金融ストレスが高まると(例えば、マーケットの恐怖指数として知られるVIXの上昇で測定されるような状況)、ビットコインの利用も同様に増加する傾向があるという。これは、一般消費者だけでなく、投資家や企業もまた、不確実性の高まる局面では暗号資産をより多く活用することを示唆している。