Home記事ブラックロックのロバート・ミッチニック「資金流入が本格的に戻ってきた」 ビットコインETFが機関投資家の手中に

ブラックロックのロバート・ミッチニック「資金流入が本格的に戻ってきた」 ビットコインETFが機関投資家の手中に

ドバイで開催されたカンファレンス「Token2049」で、ブラックロックのデジタル資産部門責任者ロバート・ミッチニックは、ビットコインETFへの資金流入が再び活発化していると述べ、その理由として、不確実な市場におけるビットコインのヘッジ資産としての認識が高まっていることを挙げた。

4月30日、ドバイで開催されたカンファレンス「Token2049」において、ブラックロックのデジタル資産部門責任者であるロバート・ミッチニック氏は、ビットコイン現物ETF(上場投資信託)への資金流入が再び活発化している現状を明らかにした。ただし、投資主体に顕著な変化がみられる点も指摘された。

「資金の流れは大きく戻ってきている」と、ミッチニック氏は力強く語った。この発言は、VanEck(ヴァンエック)のCEOであるヤン・ヴァン・エック氏、CMEグループのジョヴァンニ・ヴィシオーソ氏とともに参加したパネルディスカッションでなされたもので、司会は「ブルームバーグ」のETFアナリストのエリック・バルチュナス氏が務めた。ディスカッションは、暗号資産市場における投資家層の変化に焦点を当てながら展開された。

ミッチニック氏は、ビットコイン現物ETFが米国で承認・上場された2024年初頭、流入資金の多くは一般個人投資家(リテール投資家)によるもので、なかには1億ドル規模の投資を行なう富裕層も含まれていたと振り返った。しかし、その構成は時間の経過とともに変化している。同氏は「四半期ごとにリテール顧客による保有比率は低下しており、機関投資家や資産アドバイザーによる保有比率が上昇している」と述べ、この変化は機関投資家による導入プロセスが段階的であることを示していると説明した。「スイッチを入れてすぐに切り替わるような単純な話ではなかった」とも語っている。

こうした関心の再燃は、広範なマクロ経済的な懸念によって後押しされている可能性がある。先週、ブラックロックの米国担当でテーマ型・アクティブ株式ETF責任者であるジェイ・ジェイコブス氏は、その背景について「不確実性が高まるとビットコインは強くなる」と簡潔に説明している。市場の混乱や地政学的リスクが高まる局面では、特定の国家や中央銀行の影響を受けない資産への需要が高まる傾向がある。ビットコインは、まさにそうした「非相関資産」としての役割を果たしつつある。この考え方は、ブラックロックCEOのラリー・フィンク氏が以前から繰り返し主張してきたものと一致する。フィンク氏は、ビットコインを「現代の安全資産」として位置づけ、投資家にとってのリスク分散手段としての有効性を訴えてきた。

パネルディスカッションのなかで、ミッチニック氏は、ビットコインがテック株のレバレッジ型代替商品にすぎないとする見方にも反論。「そんな見方には、そもそも基本的な論理性がない」と述べたうえで、そのようなナラティブ(物語)であっても、繰り返し語られることで「自己実現的」になる可能性がある点については認めた。

一方で、アルトコインを対象としたETFや新たなSEC(米証券取引委員会)指導部のもとでの規制変更に関する質問については、ミッチニック氏は慎重な姿勢をみせた。「“なんでもアリ”と思っている人はがっかりすることになるだろう」と語り、規制の枠組みは今後変化する可能性があるものの、同時に新たな制約も導入されうると警鐘を鳴らした。現時点では、ビットコインが依然として主要な関心の的であり、機関投資家・個人投資家のいずれにとっても中心的な暗号資産である状況に変わりはない。

「関心は依然として圧倒的にビットコインに向けられている」と、ミッチニック氏は結論づけた。

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