Homeコラムトランプの大統領令はビットコイン市場の4年周期サイクルを崩すのか?

トランプの大統領令はビットコイン市場の4年周期サイクルを崩すのか?

トランプ氏による大統領令は、ビットコインがこれまで維持してきた厳格な4年周期の市場サイクルの終焉を示唆している可能性がある。規制の明確化、機関投資家による採用の進展、さらには政府の支援を受けた取り組みによって、この政策転換は持続的な成長に新たな時代をもたらし、これまで危惧されてきた「暗号資産の冬」を解消することになるのか?

ビットコイン市場は長らく、ほぼ不変ともいえる4年周期によって特徴づけられてきた。この周期は、3年間の価格高騰の後に急激な調整(大幅な価格下落)が訪れるというパターンだ。しかし、ワシントンの政策が大きく変化し、トランプ大統領が主導する新たな方針が打ち出されたことで、このサイクルが崩れ、暗号資産業界に長期的な成長をもたらす新時代到来の可能性がみえてきた。

トランプの大統領令はビットコインの4年周期を崩すのか? この問いを投げかけたのは、Bitwise Asset Management(ビットワイズ・アセット・マネジメント)の最高投資責任者(CIO)であるマット・ホーガン氏。彼の回答は慎重ながらも、結論としては「明確にイエス」といえるものだ。

4年周期を振り返る

ホーガン氏は、ビットコイン市場の4年周期はビットコインの半減期によって引き起こされるものではないという自身の見解を明確にしており、「多くの人が、この周期をビットコインの4年ごとの半減期に結びつけようとしているが、実際にはこの半減期と市場サイクルは一致していない。過去の半減期は2016年、2020年、2024年に発生したが、市場の動きとはズレがある」と指摘している。

出典:Bitwise Asset Management データ期間:2010年12月31日〜2024年12月31

ビットコインの4年周期は、これまで投資家心理、技術革新、市場の動向が複雑に絡み合うことで形成されてきた。一般的に大きな強気相場は、インフラの改善や機関投資家の参入といった重要な要因によって始まる。これにより新たな資本が市場に流入し、投機熱が高騰。しかし、時間が経つにつれて市場には過剰なレバレッジ(借入による投資)が蓄積され、バブル的な過熱が生じることに。その後、規制強化や金融詐欺といった重大な出来事が発生すると、市場は急激な調整(大幅な価格下落)を余儀なくされるのが通例だ。

このパターンは、過去に何度も繰り返されてきた。2014年にはMt. Gox(マウントゴックス)の破綻、2017年から2018年にかけてはICO(イニシャル・コイン・オファリング)ブームの崩壊、そして2022年にはFTXやThree Arrows Capital(スリー・アローズ・キャピタル)の破綻に伴うデレバレッジ(過剰な借入の解消)危機が発生した。しかし、いずれの冬(暗号資産市場の低迷期)も、最終的にはさらなる回復を遂げ、次の強気相場につながってきた。そして最新の強気相場は、2024年のビットコインETF(上場投資信託)の本格的な普及が引き金となっている。

大統領令はゲームチェンジャーとなるのか?

ホーガン氏による核心的な問いは、「トランプ大統領の最新の大統領令が、これまで確立された市場サイクルを崩すのか?」という点だ。この大統領令は、アメリカ国内におけるデジタル資産エコシステムの発展を優先することを掲げており、具体的な規制の枠組みを明確にするとともに、国家としてデジタル資産の備蓄を行なう構想まで示している。歴代のどの米国大統領よりも、ビットコインに対して強気(ブル)な姿勢を示したといえる。

この大統領令がもたらす影響は以下の通り。

・規制の明確化:法的な不確実性を取り除くことで、機関投資家によるビットコイン市場への大規模な資本流入が可能になる。

・ウォール街との統合:米国証券取引委員会(SEC)や金融規制当局が暗号資産に対して前向きな姿勢を取ることで、大手銀行がビットコイン市場に正式に参入できるようになる。これにより、ビットコインの保管、融資、さらには構造化金融商品が銀行経由で提供される可能性が高まる。

・政府の採用:「国によるデジタル資産備蓄」という概念が示されたことは、将来的に米国財務省がビットコインを外貨準備資産のひとつとして保有する可能性を示唆している。これが現実となれば、ビットコインは「デジタルゴールド」としての地位をさらに確立するだろう。

こうした変革は一夜にして起こるものではない。しかし、それらが積み重なることで、ビットコイン市場の動的メカニズムを根本的に変える可能性がある。従来のサイクルは、小口投資家の投機的な熱狂によって主に動かされてきたが、今回の変化は、機関投資家の本格参入と規制の後押しという、はるかに安定した基盤に基づいている。このことは、従来のような急激な価格変動ではなく、より持続的な成長へとビットコイン市場を導く可能性を秘めている。

「暗号資産の冬」は終わるのか?

これまでの歴史が繰り返されるとすれば、ビットコインは2025年まで上昇を続け、2026年に大幅な調整(価格下落)を迎えることになる。しかし、ホーガン氏は今回は過去とは異なる可能性が高いと指摘。もちろん、投機的な過熱やレバレッジによるバブルのリスクは依然として存在する。しかし、機関投資家の参入規模が過去に例のないほど拡大しているため、これまでのような長期的な弱気(ベア)相場にはならない、と彼は主張する。

過去のサイクルでは、ビットコインには価値を重視する長期投資家(バリュー投資家)の強固な基盤が欠けていた。そのため、主に個人投資家の投機的熱狂によって市場が動いており、バブル崩壊後には長期間の低迷期が続くのが常だった。しかし、現在は状況が大きく変わっている。ビットコインETFの登場によって、年金基金、ヘッジファンド、政府系ファンドなどの大規模投資家が、容易にビットコインに資金を振り向けることができるようになった。これにより、ビットコイン市場はもはや個人投資家の熱狂だけに依存する存在ではなくなったのだ。その結果、今後も市場の価格下落調整は起こるかもしれないが、その規模は小さく、期間も短くなる可能性が高いと考えられる。これまでのような数年間にわたる長い「暗号資産の冬」ではなく、より短期間の調整で済むようになるかもしれない。

次に来たるべきものとは?

ビットコインはすでに10万ドル(約1500万円)の大台を突破しており、ブラックロックCEOのラリー・フィンク氏をはじめとする業界のリーダーたちは、今後数年で70万ドル(約1億円)に達する可能性を指摘している。もし、トランプ大統領の政策が機関投資家のビットコイン採用を加速させれば、これまでの4年周期の市場パターンは消え去り、より伝統的な資産クラスの成長曲線へと移行するかもしれない。これは、1970年代に金本位制が終了した後の金(ゴールド)市場の成長に似た動きとなる可能性がある。

もちろん、今後も予期せぬ規制の変更や過剰なレバレッジによる市場の不安定化といったリスクは残るだろう。しかし、全体的な方向性は明らかだ。 ビットコインは、もはや投機的なデジタル資産ではなく、メインストリームの金融資産になりつつあるのだ。

結論

これまで10年以上にわたり、投資家は4年周期をビットコイン市場の指標としてきた。しかし、トランプ氏による大統領令は、このパターンを根本的に変える可能性がある歴史的な転換点となるかもしれない。市場の成長が機関投資家主導へと移行するなか、ウォール街、大企業、さらには政府までもがビットコインを受け入れつつあるのは明白だ。いま問うべきは、「2026年に暗号資産の冬は訪れるのか?」ではなく、「そもそも、もう冬が来ることはないのか?」ということだ。


免責事項:本記事は情報提供のみを目的としており、金融アドバイスを意図するものではありません。投資を行なう前に必ずご自身でリサーチを行なってください。

 

 

Author

Mark Mason
Mark Mason
Driving Global Expansion and Innovation. Building International Partnerships for a Global Powerhouse.
RELATED ARTICLES
Bitcoin Bitcoin BTC/JPY
¥0
24hr %:
0.0%
24hr High:
¥0
24hr Low:
¥0
Error loading data. Check console for details.
VIEW 150+ BITCOIN CHARTS

LATEST NEWS

custom ad 1