Home市場モルガン・スタンレー幹部、ビットコインについて「私たちはまだこの道のりの極く初期段階にいる」

モルガン・スタンレー幹部、ビットコインについて「私たちはまだこの道のりの極く初期段階にいる」

モルガン・スタンレーのデジタル資産部門責任者であるエイミー・オルデンバーグは、同行および業界全体におけるビットコイン普及の最大の課題は、金融商品の設計ではなく、顧客教育にあると語った。

モルガン・スタンレーは、自社がまだ初期段階にあると考える市場に、 ビットコインETP(上場取引型金融商品)である「モルガン・スタンレー・ビットコイン・トラスト(MSBT )」を投入した。

カンファレンス「Bitcoin 2026」開催期間中の4月29日(米国時間)、タイラー・エバンス氏が司会を務めたパネルディスカッションで、モルガン・スタンレーのデジタル資産部門の責任者であるエイミー・オルデンバーグ氏は約1時間にわたり、多くの顧客がまだ十分に理解していないビットコインの価値について力説し、その認識のギャップこそが業界にとってもっとも緊急性の高い課題だと説明した。

「まずはビットコインから始める必要があります」と、オルデンバーグ氏は聴衆に語り、ビットコインの時価総額が約1兆5000億ドルであり、他の暗号資産とは一線を画す存在であることを強調した。 

彼女はまた、ビットコインと「暗号資産」という広いカテゴリーとの違いを明確にすることに注意を払った。彼女は、この区別について、多くの個人投資家や機関投資家は依然として十分な理解をもっていないと指摘。同行は、この区別が単なるストーリーではなく、基礎的なリサーチに基づいて確立されることを望んでいるという。

オルデンバーグ「ビットコインには教育上の問題がある」 

オルデンバーグ氏によれば、この教育の問題は根深いようだ。多くの投資家はいまだに、ビットコインをその黎明期における悪質な不正行為者による利用と結び付けており、資産配分を検討する際にそのイメージから抜け出すのが難しいのだという。 

オルデンバーグ氏は、顧客が利回りや構造化されたエクスポージャーについて質問してきた場合、自分のチームは率直に説明するよう努めていると述べた。彼女は「それを利回りとして提示することはできますが、その基礎となる資産はビットコインです」と語った。しかし、市場における多くの議論ではこうした明確さがまだ欠けており、「やるべきことはまだ山ほどある」と説明した。

MSBTは取引開始から最初の1週間で1億ドル以上の資金流入を記録した。これは、特定の顧客層ではなく、同行の幅広い顧客層向けに設計された商品としては力強い初期シグナルと言える。 

しかし、オルデンバーグ氏はこの数字をすぐに文脈に沿って説明した。このファンドはまだアドバイザリー・プラットフォーム上では利用可能になっていなかったため、最初期の資金流入はすべて自己運用口座からのものだったという。

また、彼女は同行が暗号資産に対して2〜4%の投資配分比率推奨していることにも言及したが、その指針があるにもかかわらず、アドバイザー経由での採用は依然として伸び悩んでいると指摘。この商品は上場からまだ1年も経っていないことを改めて強調した。

このギャップを埋めるため、モルガン・スタンレーは内部からのアプローチを進めている。オルデンバーグ氏によれば、同行はファイナンシャルアドバイザーが自信をもってビットコインについて顧客に説明できるよう社内研修を実施しており、彼女のチームは「何時間も何時間も」電話を通じて、顧客にモデルや資産配分の枠組みを丁寧に説明しているという。 

彼女はまた、同行がさまざまなニーズをもつ顧客向けに商品を設計しており、直接的なETPを求める顧客を含め、あらゆるニーズに対応できるプラットフォームの構築を目指していると語った。さらに、資産運用部門の顧客向けには現物の暗号資産取引も導入予定だという。

カストディアン(保管機関)については、オルデンバーグ氏はその選定が複雑であることを認めた。市場にはプロバイダーが数多く存在するため、そのなかからひとつを選ぶのは容易ではなく、結果として複数の企業と提携することになったという。最終的にモルガン・スタンレーは、 MSBTのカストディアンとしてCoinbase社とBNY Mellon社を選定した

議論がハイベータのビットコイン関連銘柄に及ぶと、オルデンバーグ氏はマイケル・セイラー氏率いるストラテジー社を「モルガン・スタンレーのよき友人」と評し、同社の発展過程において協働してきたと述べた。 

また、このビークルにおけるエクスポージャーの大部分は現時点では個人投資家によるものであり、「デジタル・クレジット」というカテゴリーが成熟するまでには時間を要するだろうと付け加えた。

モルガン・スタンレーによるビットコイン保有は「ありえない話ではない」

銀行がバランスシート上にビットコインを保有する可能性について問われると、オルデンバーグ氏は、規制面での進展が続けば「ありえない話ではない」と述べたが、その表現には慎重さも滲ませた。 

彼女は、米国においては金融規制当局間のさらなる連携強化が必要だとし、モルガン・スタンレーのようなグローバル企業にとっては状況はさらに複雑で、各法域ごとに異なる規制の枠組みが存在すると指摘した。

パネルディスカッションの最後に、彼女は冒頭と同じテーマ、つまり広範に届くリサーチの必要性を強調した。市場には投資家が信頼し参考にしているコメンテーターや有識者が存在しており、今後の課題は、そうしたわかりやすく実用的な分析をメインストリームへと採り入れることだと語った。 

「私たちはまだこの道のりのほんの初期段階にいます。資本の配分もごくわずかです。本当にまだ始まったばかりなのです」と、オルデンバーグ氏はパネルを締め括った。

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  • Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。

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Micah Zimmerman
Micah Zimmerman
Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。
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