Bitcoin Magazine Japan
「ビットコインの弱気相場は終わった」Galaxyが分析

「ビットコインの弱気相場は終わった」Galaxyが分析

ByMicah Zimmerman

Galaxy Researchは、ビットコインの弱気相場は6月の安値をもって終了したと分析している。その根拠として、50週移動平均線を再び上回ったこと、ヘッジファンドやベーシス取引を行なう投資家による売りが一巡したこと、米国の債務増加、さらに、過去2回の市場サイクルで底値形成の兆候となった「ビットコインではなくブロックチェーン」というセンチメントの転換を挙げている。

Galaxy Researchは、同調査機関が発表したリサーチ・アラートによると、ビットコインの弱気相場は6月に終了し、現在は蓄積局面に入っていると見込んでいる。この調査レポートは、「いまはビットコインを購入して保有するのに魅力的な時期だと考えている」と述べている。

このレポートが発表された時点で、ビットコインは8万ドル付近で取引されており、2025年10月の高値を約35%下回る一方、2026年6月30日の安値からは約39%上昇していた。過去最高値を更新するには、価格が53%上昇する必要がある。これに対し、S&P 500は10月6日に記録した過去最高値から1%以内の水準にある。

レポートでは、テクニカル、投資家のポジション、ファンダメンタルズ、センチメントという4つの観点から、主張の根拠を説明している。

テクニカル

Galaxy Researchは、ビットコインの弱気相場を追跡するために、ふたつの週足移動平均線を用いている。同機関によると、200週移動平均線はこれまでのすべての弱気相場で下値の支えとして機能し、50週移動平均線は上値を抑える抵抗線として機能してきたという。

ビットコインの価格は2025年11月に50週移動平均線を下回り、その後44週間にわたってその水準を下回り続けた。6月の安値では200週移動平均線が試されたものの、価格はその水準を維持した。週足終値の最安値は200週移動平均線を4.7%下回る水準だった。9月には価格が再び50週移動平均線を上回って引け、10月18日に終了した週は、50週移動平均線を上回る週足終値が5週連続となった。

Galaxy Researchは、2011年以降にこうしたリクレーム(上抜け)が13回あったと数え、その結果は価格がリクレームラインを下回っていた期間の長さによって異なると指摘した。20週間以上にわたってリクレームラインを下回った後に上抜けた4回では、1年後の価格はいずれも上昇しており、上昇率は55%から1497%の範囲だった。また、その後12カ月間に、上抜け時の価格水準から8.4%を超えて下落したケースは一度もなかった。一方、リクレームラインを下回っていた期間がより短かった9回のうち7回では、1年以内に価格が25%を超えて下落した。

Galaxy Researchは、半減期のサイクルも同じ結論を裏付けていると分析している。過去のサイクルでは、半減期から777日目、889日目、912日目にそれぞれ底値をつけた。10月22日は、現在の半減期サイクルの916日目にあたる。Galaxy Researchによると、これらの安値をつけた後の上昇倍率は、それぞれ87倍、19倍、7.6倍とサイクルを経るごとに縮小しており、今回も同様の上昇が繰り返されるとは予測していない。

レポートによると、今回の下落率は53%で、ビットコインの歴史上もっとも小幅な下落となっている。また、価格がネットワークの実現コストベース(Realized Cost Basis)を下回らなかった初めてのケースでもある。

ポジショニング

レポートは、相場の高値以降の主な売り手として、ベーシス取引を行なうトレーダーとマクロ系ファンドを挙げた。 Galaxy Researchが引用した米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、CMEのビットコイン先物における資産運用会社のネット・ロングポジションは、史上最高値を記録した週から57%減少した。

レポートは、相場の高値以降の主な売り手として、ベーシス取引を行う投資家とマクロ系ファンドを挙げた。ギャラクシーが引用した米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物における資産運用会社のネット・ロング・ポジションは、過去最高値をつけた週から57%減少した。

レバレッジ・ファンドのネット・ショートポジションも同程度に縮小した。このポジションは、現物ETF(上場投資信託)に対してキャッシュ・アンド・キャリー取引を行なう際の先物側のポジションを表している。期近限月のベーシスは、過去最高値をつける前の30日間には年率換算で平均7.9%だったが、10月21日までの30日間では4.8%となった。 Galaxy Researchによると、この水準では、もはや取引にかかるコストとリスクをカバーできないという。

Galaxy Researchは、13F報告書に基づいて売り手を特定した。Millennium Management、Brevan Howard、Goldman Sachs、Capula、Farallon、DE Shaw、Schonfeld、Symmetry、Tudorは、2025年9月末から2026年6月末までの各四半期末の間に、現物ビットコインETFの保有量を29%から100%削減している。削減量は合計で6万8000 BTCに達した。

一方、13F報告書を提出した全2200機関の保有量は、合計で4万8000 BTCの減少にとどまったため、残りの機関投資家は全体として保有量を増やしたことになる。買い手には、 Morgan Stanleyのウェルスマネジメント部門、Mubadala、Abu Dhabi Investment Councilなどが含まれていた。

レポートによると、ビットコイン価格は53%下落したが、現物ETFの保有量はピークから底値にかけて11%の減少となった。また、6月の安値以降、これらのファンドは合計8万7000 BTCを追加購入している。

ファンダメンタルズとセンチメント

Galaxy Researchのファンダメンタルズに関する分析の中心にあるのは、米国の財政状況だ。連邦政府債務は10月20日時点で40兆4400億ドルに達し、2026会計年度の財政赤字は1兆9900億ドルとなった。また、10年物米国債利回りは10月5日に5.31%に達し、2007年以来の高水準となった。

Galaxy Researchは、財政赤字がGDP比6%に達するなか、政府が金利5%で債務を借り換えなければならない状況では、さらなるインフレを引き起こす方向への圧力が生じると論じている。

レポートは、 Morgan Stanleyが今年5700億ドルに達すると予想するAI関連の借り入れについて、資本をめぐる競合要因というよりも、こうした圧力を強める要因として説明している。

センチメントについて、Galaxy Researchは現在の環境を2015~2016年および2018~2019年と比較している。当時、伝統的な金融業界は「ブロックチェーン」を歓迎する一方で、ビットコインを軽視していた。いずれの時期も市場サイクルの底値と重なっていた。 Galaxy Researchによると、2026年版の同様の現象は「ビットコインではなく、ステーブルコインとトークン化」だという。その根拠として、銀行によるトークン化預金の試験運用、 9月15日の米上院におけるCLARITY法案の審議終結動議の否決、そして、Google検索における「bitcoin」の検索数が数年ぶりの低水準にあることを挙げた。

リスク

Galaxy Researchは、自らの見解を見直す判断基準として、50週移動平均線(1 BTC=約7万6540ドル)を週足終値で下回り、その後1カ月以内に同水準を回復できない場合を挙げた。また、3億8750万ドル相当の資産が流出したBitgetへの不正攻撃を含む、AIを利用した窃盗事件にも言及した。ただし、これらの事件はいずれもビットコインのプロトコル自体にかかわるものではなかったと指摘した。

量子コンピューティングについて、レポートは、公開鍵が露出しているアウトプットに約710万 BTCが保管されていると指摘したものの、暗号技術に影響を及ぼしうる量子コンピューターはまだ存在しないとしている。また、2月にBIP-360がBIPリポジトリに統合されたことや、Galaxy Digitalが量子コンピューティングへの対応策のために500万ドルを拠出することを表明した点にも言及している。

Micah Zimmerman

Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。

RELATED ARTICLES