現在、ビットコインと世界経済全体に対して弱気な見方が蔓延し、マクロ経済の不透明感も渦巻いているなか、ビットコイン・マイナーたちがこれまで以上に強気な姿勢をみせているのは意外に思えるかもしれない。本記事では、ビットコイン・マイナーが単に現状維持にとどまらず、むしろ積極的な投資と設備拡充を進めていることを示すデータを詳しく解説する。市場参加者の多くが様子見に転じているなかで、なぜ彼らは加速しているのか? マイナーたちには、ほかの投資家が見落としている何かが見えているのだろうか?
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Why Bitcoin Miners Are Doubling Down Right Now
ビットコインのハッシュレートが垂直上昇中
ビットコインの価格が伸び悩んでいるにもかかわらず、ビットコインのハッシュレート(採掘時の計算処理能力)は過去最高値を次々と更新しながら、ほぼ垂直状態といえる勢いで上昇。マクロ経済の逆風や価格の停滞をものともせず、この勢いは続いている。一般的にハッシュレートはビットコイン(BTC)価格と密接に連動する。価格が急落したり横ばいの状態が続くと、採算性の悪化によりハッシュレートも横ばいになるか、低下する傾向がある。
しかし現在、世界的な関税の引き上げや経済成長の鈍化、BTC価格の足踏みといった不安要素があるなかでも、ハッシュレートだけが異常な伸びをみせている。このように、ビットコイン価格とハッシュレートの動きが大きく乖離する局面は歴史的にも稀であり、多くの場合、のちに重要な意味をもつことがある。
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ビットコイン・マイニングにおけるハッシュレートの兄弟的存在ともいえる「ビットコイン・マイナー難易度」が先日、歴史的水準の上方調整を記録した。この難易度は、ブロックの生成時間(約10分)を一定に保つために自動調整される指標であり、ネットワーク全体に投入される計算能力(ハッシュパワー)が増加することで上昇する。
今回のような難易度の大幅な急上昇は、特に価格が伸び悩む局面では極めて珍しい。これはつまり、多くのマイナーが短期的なBTC価格の低迷にもかかわらず、大規模な設備投資や運用体制の強化を行なっていることを示唆している。
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さらなる注目点として、短期および長期のハッシュレート移動平均を組み合わせた指標「ハッシュリボン・インジケーター」が最近になって典型的なビットコインの買いシグナルを点灯させた。
具体的には、30日移動平均線(青)が60日移動平均線(紫)を再び上抜けると、それはマイナーの投げ売り局面の終了と新たな強気フェーズの始まりを示すシグナルとなる。このクロスオーバーが発生すると、チャートの背景色が赤から白に変化し、視覚的にもトレンドの転換が確認できる仕組みだ。過去の事例では、このタイミングがBTC価格の大きな反転ポイントとなったケースも少なくない。
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今回とりわけ注目すべきなのは、30日移動平均線が60日線から急激に乖離している点だ。これは単なる緩やかな回復ではない。マイナーたちが将来のBTC価格上昇に大きく賭けているという、強い意思表示ともいえる。
関税の影響
では、なぜこれほどまでにマイナーが攻勢を強めているのか? その有力な理由のひとつが、特に米国拠点のビットコイン・マイナーたちが今後予想される関税措置の影響を先回りして対策している点だ。
世界最大のマイニング機器メーカーであるBitmain(ビットメイン)は現在、米中の貿易政策の焦点となっている。マイニング機器への関税が30〜50%、場合によっては100%以上の価格上昇を招く恐れがあるのだ。こうしたコスト増を避けるため、各社が駆け込みで設備導入を加速させているとみられる。

米国に拠点を置くFoundry USA(ファウンドリーUSA)、Mara Pool(マラ・プール)、Luxor(ルクソール)などのマイニングプールがビットコインのハッシュレート全体の40%以上を占めている現状を考えると、マイニング機器の価格上昇は利益率の大幅な低下につながりかねない。そのため、機材がまだ比較的安価かつ入手可能ないまのうちに、一気に設備拡張を進めていると推測される。
ビットコイン・マイナーは掘り続ける
「ハッシュプライス(hashprice:1テラハッシュ(TH)あたりの計算能力で得られるビットコイン建て収益)」は現在、過去最低水準にある。言い換えれば、1テラハッシュあたりのマイニング収益がこれほど低かった時期はない。通常、ハッシュプライスは弱気相場の終盤で上昇に転じる傾向がある。競争が緩和し、体力のないマイナーが市場から撤退することで、収益性が徐々に回復していくためである。
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ところが、今回はそのような展開にはなっていない。採算が極めて厳しい状況にもかかわらず、マイナーたちは稼働を維持するどころか、さらにハッシュパワーを追加投入している。この現象はふたつの可能性を示唆していると考えられる。ひとつは、収益率の悪化が進む前、いまのうちにできるだけ多くのビットコインを先回りして掘っておこうとする動き。もうひとつの楽観的な見方としては、マイナーたちがビットコインの将来性に強い確信をもち、価格下落をチャンスととらえて積極的に設備投資を行なっているという可能性だ。
ビットコイン・マイナーの結論
では、実際にはどちらが正しいのか? ハードウェアコストの上昇を先読みしての「駆け込み投資」なのか、それとも、ここ最近でもっとも力強い「ビットコインへの集団的な信任表明」なのか? 今後もハッシュレートやハッシュプライスなどの指標を追いながら、マイナーたちのこの動きが正しかったのかどうかを見極めていきたい。
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免責事項:本記事は情報提供のみを目的としており、金融アドバイスを意図するものではありません。投資を行なう前に必ずご自身でリサーチを行なってください。
