ブラックロック社の主力ビットコインETF(上場投資信託)である iShares Bitcoin Trust(IBIT)は、4月23日に6億4316万ドルの純資金流入を記録し、今年1月21日以来もっとも好調な一日となった。この大規模な資金流入は、ビットコインの上昇基調が続くなかで発生したもので、米中貿易関係に関するトランプ政権の前向きな発言が背景にあるとみられる。これを受けて、ビットコインは9万2000ドルを上回る水準で取引されている。
IBITの好調なパフォーマンスはビットコインETF全体の取引活性化にも貢献しており、同日のビットコイン現物ETFへの総資金流入額は9億1691万ドルに達した。これにより米国上場のビットコインETFは4営業日連続で資金流入を記録、今週だけで約22億3000万ドルの純資金が流入したことになる。
NEW: 🇺🇸 #Bitcoin ETFs bought $917 million worth of BTC yesterday, bringing total inflows to $2.2 billion this week.
Bulls are back 🚀 pic.twitter.com/J3Y1gjVgLl
— Bitcoin Magazine (@BitcoinMagazine) April 24, 2025
ARK 21Shares Bitcoin ETF(ARKB)とフィデリティのWise Origin Bitcoin Fund(FBTC)も大きな関心を集め、それぞれ1億2950万ドル、1億2440万ドルの資金流入を記録した。複数のETFにおよぶ堅調な動きは、ビットコインを投資資産として評価する機関投資家の確信が高まっていることを示唆している。
ETF市場の活況はビットコイン価格が9万ドルを突破したタイミングと重なっており、その要因としては、ドナルド・トランプ大統領による対中輸入関税引き下げの示唆やジェローム・パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の再任決定が挙げられる。また、新たに就任したSEC(米証券取引委員会)委員長ポール・アトキンス氏がビットコインおよび暗号資産に好意的な姿勢をみせていることも、市場のセンチメントを後押ししている。
昨年1月に米国でビットコイン現物ETFが初めて承認されて以来、これらのETFには累計で370億ドル以上の純資金が流入しており、運用資産残高は計1063億9000万ドルに達している。なかでも、ブラックロックのIBITは群を抜く規模を誇り、約537億7000万ドルの純資産を運用しているほか、業界メディア「etf.com」の年間アワードで「最優秀新ETF賞」を受賞した。
最近の資金流入額の連続記録は、4月上旬にみられた資金流出傾向からの大きな転換点ととらえられており、ビットコインが戦略的資産およびインフレヘッジとして再び注目されていることを示している。この流れは、2025年半ばに予想されるFRBの利下げ観測や米ドルの相対的な弱含みというマクロ経済の要因にも支えられている。
しかし、市場関係者の間では米中貿易政策をめぐる不透明感やインフレ懸念がビットコイン価格の推移に影響を及ぼす可能性も指摘されており、ETF市場の資金動向や経済指標の発表が注目される局面は今後も続くとみられる。
本稿の執筆時点で、ビットコインは9万2840ドルで取引されており、重要な心理的節目を上回る水準を維持している。この価格帯は、規制されたETFを介する機関投資家の資金流入が続いていることの反映でもある。