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TD Cowen「民主党が米議会を掌握すれば、CLARITY法案は2年間棚上げ」

TD Cowen「民主党が米議会を掌握すれば、CLARITY法案は2年間棚上げ」

ByMicah Zimmerman

TD Cowenのジャレット・サイバーグ氏は、民主党が中間選挙で勝利し上下両院を制すれば、CLARITY法案は2年間棚上げされ、エリザベス・ウォーレン議員が上院銀行委員会の委員長に就任し、民主党はドナルド・トランプ大統領が指名するSECおよびCFTCの委員人事を阻止できるようになると述べている。

TD Cowenのワシントン担当アナリストであるジャレット・サイバーグ氏は、米国の中間選挙当日に「BITCOIN MAGAZINE」と顧客に向けたメモの中で、民主党が議会を制すれば、今後2年間CLARITY法案成立の可能性はなくなり、暗号資産を取り巻く政治環境も悪化するだろうと指摘した。

サイバーグ氏は、TD Cowenは世論調査や予測市場と同様に、民主党が上下両院で過半数を獲得する可能性が高いと見ていると説明。ただし、投票日の1カ月前に実施された世論調査は結果がまちまちだったが、投票前夜に行なわれた世論調査よりも的中率が高くなる傾向があるという留保を付け加えている。

暗号資産をめぐっては、「民主党は、ドナルド・トランプ大統領と暗号資産とのかかわりも含め、トランプ大統領に対する調査を行なう可能性が高い。われわれは、これによって暗号資産を取り巻く政治環境は悪化すると見ており、そのため、今後2年の間にCLARITY法案が成立するとは考えていない」と、サイバーグ氏が下した結論は明快だ。

市場構造改革法案は、2025年7月に下院で賛成294票・反対134票で可決されたが、9月15日の上院における審議終結動議の採決では賛成49票・反対50票で否決された。2027年1月3日に新議会が招集されるまでに可決されなければ、同法案は失効となり、改めて提出し直さなければならない。

サイバーグ氏はさらに、暗号資産業界が敗北することを望んで資金が投じられた選挙戦であるオハイオ州の上院議員選挙でシェロッド・ブラウン氏が勝利すれば、議会における暗号資産業界の影響力はさらに縮小する可能性があると付け加えた。

議会で主導権を握るカギは、上院にあり

このメモでは、上院の支配権こそがより大きな政治的成果をもたらすと位置付けている。民主党が上院の過半数を握れば、トランプ大統領が指名する人事を阻止できるほか、その権限を利用して、米連邦預金保険公社(FDIC)、米証券取引委員会(SEC)、米商品先物取引委員会(CFTC)という暗号資産政策の中核を担う3つの機関において、民主党側の委員を任命するよう大統領に迫ることができる。

また、リサ・クック氏を米連邦準備制度理事会(FRB)から解任しようとするトランプ政権の取り組みを断念するよう、ホワイトハウスに圧力をかけることも可能になる。サイバーグ氏によれば、トランプ大統領は代行責任者を任命することで対応できるが、そうなれば権限が職業公務員に委ねられるリスクがある。これは「トランプ陣営」が望んでいない結果だという。

民主党が上院の支配権を握れば、エリザベス・ウォーレン議員が上院銀行委員会の委員長に就任することになる。サイバーグ氏は、金利の上限規制、銀行による自社株買いの制限、政府による信用スコア制度といったポピュリズム的な法案が提出される余地があると見ている。また、ウォーレン議員とトランプ大統領は、こうした法案の一部について共通の立場を見いだす可能性があると考えている。

下院の金融サービス委員会の委員長には、マキシン・ウォーターズ下院議員が就任し、住宅問題と米連邦住宅金融庁(FHFA)に対する監視の強化に重点を置くことになるだろう。

サイバーグ氏のメモには、「つまり、住宅問題に重点が置かれることになるが、頭金支援や公営住宅の改修について、彼女が共和党の支持を得られるかどうかについては疑問だ。FHFAに対する監視は強化されるだろう」と記されている。

銀行にとって、今回の選挙はほとんど変化をもたらさないだろう。どちらの政党が勝利しても、規制当局は資本、流動性、銀行の規模に応じた規制区分に関する規制の緩和を継続する見通しだ。ただし、トランプ大統領は民主党が付帯条件として盛り込む歳出条件を拒否すると予想されるため、“ねじれ議会”となれば、政府機関の閉鎖や債務上限をめぐる対立が発生し膠着状態のリスクは高まる。

選挙当日のビットコイン

11月3日(米東部時間)の午後、ビットコインは7万7500ドル付近で取引されていた。朝方に7万6300ドルまで下落した水準からはもち直したものの、月初の価格を約2000ドル下回っていた。ビットコイン価格は、過去最大規模となる63億4000万ドルのバイナンス・ハッキング事件、2日間にわたる現物ETF(上場投資信託)からの資金流出、12月の利上げに傾くFRBの姿勢といったマイナス要因があっても、底堅さを保っている。

Kalshiの予測市場では、民主党が下院で勝利する確率は94%、上院を掌握する確率は74%とされており、サイバーグ氏の描くシナリオの大部分は、すでに市場価格に織り込まれている。

まだ価格に織り込まれていないのは、レームダック・セッション(新議会発足前に行なわれる現議会による会期)だ。CLARITY法案の交渉に携わってきたアンジェラ・アルソブルックス上院議員は、民主党が議会を掌握した場合、その後は同法案を優先課題としない可能性があるものの、1月までには法案が可決される可能性はあると述べている。ただし、この期間中に法案が成立しなければ、民主党が主導権を握る議会が今後この法案を優先事項として取り上げることはないだろうと、彼女は指摘している。

複数の報道によると、暗号資産関連団体は、サイバーグ氏が現在予想しているような結果を回避するために、今回の選挙期間中に2億ドル以上を費やしてきた。一方、CFTCは11月3日、議会の動きを待つことなく、米国の取引所における株式の永久先物取引を承認した。上院と下院の勢力図が逆転すれば、こうした規制当局ごとのアプローチ、そして各機関の要職に誰が就くのかという問題が、すべてを左右することになる。

Micah Zimmerman

Micahは2018年に初めてビットコインと出会ったものの、しばらく懐疑的な立場を取り続けていました。2021年以降は暗号資産やビジネス分野の取材を行なっており、現在はノースカロライナ州を拠点にBitcoin Magazineのジュニアニュースリポーターとして活動しています。

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