Bitcoin Magazine Proのデータによると、BTC価格は米国時間の火曜日(11月3日)朝、米中間選挙の投票が始まるなか7万7,500ドル近辺で取引された。同日は約0.6%安で、1年前の価格を約3万ドル下回っている。
今回の選挙は議会の主導権を決め、それに伴って市場構造法案であるCLARITY法案の行方も左右する。同法案は2025年7月に294対134で下院を通過したが、9月15日の上院の討論終結(クローチャー)投票では49対50で可決に至らなかった。
予測市場カルシ(Kalshi)では、民主党が下院を制する確率は94%、上院は74%となっている。民主党が上院を制すれば、エリザベス・ウォーレン上院議員が銀行委員会の委員長に就く可能性が高い。1月3日に新議会が招集されるまでに議会が動かなければ、法案は廃案となり、再提出が必要になる。
CNBCによると、暗号資産関連の団体は中間選挙に2億ドル超を投じた。TDコーエンのアナリストは、民主党が上下両院を制する展開を、最も可能性が高く、かつ業界にとって最も不利な結果とみている。同社のアナリストの見方では、上下両院で多数派が分かれる議会になれば、より範囲を絞った合意の余地が残る。
売りが 続いた 1週間
投票に向けたBTC価格の動きは一方向だった。BTC価格は11月を7万8,500ドル近辺で始め、その後約2,000ドル下げている。10月は約7%安で取引を終え、10月としては2年連続の下落となった。
10月28日には、タカ派的な内容となった米連邦準備制度理事会(FRB)の金利据え置きと、アルファベットとサムスンの低調な決算に続いて、価格は8万ドルを下回った。レバレッジをかけたポジション約3億5,600万ドル分が清算された。
より大きな衝撃は翌日に訪れた。10月29日、FBIが北朝鮮によるものとしている攻撃者が、バイナンスのホットウォレットから約63億ドルを流出させた。暗号資産の窃取としては記録上最大となる。
BTC価格は底堅さを保っていたものの、金曜日(10月30日)には約4%下落し、レバレッジをかけたポジション13億ドル超が清算された。SoSoValueのデータによると、米国の現物ビットコインETFからは同日6億4,330万ドルが流出し、6月25日以来最大の1日当たり流出額となった。月曜日(11月2日)にも、さらに3億9,900万ドルが流出した。
BTCは日曜日(11月1日)遅くに7万8,491ドルまで回復したが、月曜日と火曜日に再び下落した。トレーダーは、200日指数移動平均(EMA)と重なる7万6,264〜7万6,476ドルのサポートに注目している。その下には9月の安値7万4,967ドルがある。
上値では、8万800ドル近辺の50日EMAが最初のレジスタンスとなる。
暗号資産の恐怖・強欲指数(Crypto Fear & Greed Index)は月曜日に37を示し、「恐怖」の領域にあった。
原油と イラン、 利上げも あり得る FRB
マクロ環境の支えは乏しい。FRBは10月28日、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を3.75〜4.00%に据え置いた。採決は10対2で、2人の当局者が利上げを主張して反対票を投じた。FRBは9月、2023年7月以来となる利上げを実施していた。
ポリマーケット(Polymarket)は、12月の利上げの確率を71%近辺としている。9月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比3.6%の上昇、第3四半期の国内総生産(GDP)は年率3.4%の成長だった。
10年物米国債利回りは10月上旬に5.36%を付け、2002年以来の高水準となったが、月曜日には約4.91%に低下した。
インフレをめぐる構図の中心にあるのはエネルギーだ。CNBCによると、イランと米国が協議に前向きな姿勢を示したことを受け、北海ブレント原油は月曜日に7.7%下落して1バレル104.66ドルとなった。1日の下げとしては7月以来最大だった。
この動きは火曜日に一部巻き戻され、米国がイランのケシュム島を攻撃したとの報道を受けて、ブレントは106.60ドル近辺に戻った。ホルムズ海峡周辺の混乱で原油は100ドルを上回る水準にとどまり、総合インフレ率も高止まりしている。これがFRBを引き締めの路線にとどめている。
株式市場も圧力を強めている。ナスダックは金曜日、インテルとアマゾンの決算がAIへの設備投資に疑問を投げかけたあと2.9%下落し、6月以来最悪の1日となった。10月は5.3%下落した。今回の売り局面で、BTC価格はハイテク株に逆行するのではなく、連動して動いてきた。
BTC価格の 今後
日程は詰まっている。金曜日(11月6日)には10月の雇用統計が発表される。9月は2万9,000人で、10月の市場予想は6万5,000人近辺となっている。続いて11月10日に10月の消費者物価指数(CPI)、12月9日にFRBの次回の政策決定が控える。バイナンスの次回の準備金証明(プルーフ・オブ・リザーブ)のスナップショットは、水曜日(11月4日)に予定されている。
オプション市場は落ち着いており、デリビット(Deribit)のDVOL指数は36.5近辺にある。トレーダーが大きな値動きを想定していないことを示すサインだ。一方、季節性は逆の方向を示している。直近の中間選挙の年である2018年と2022年の11月には、BTC価格はそれぞれ36.6%、16.2%下落した。いずれも弱気相場のさなかだった。





