7月14日(米国時間)、6月の消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことを受け、市場では連邦準備制度理事会(FRB)がさらなる金融引き締めを控えるだろうとの見方が強まり、ビットコイン価格は一時的に6万4000ドルを突破した。
米労働省は14日、6月の消費者物価指数が前月比0.1%低下し、年率換算では5月の4.2%から約3.9%に鈍化したと発表した。ガソリン価格が約10%下落したことが、この低下の主な要因となった。ビットコイン価格は、レバレッジ・ポジションの清算や地政学的リスクを背景に、この1週間は下落圧力に晒されていたが、この指標の発表を受けて上昇に転じ、1日で約2%上昇し6万3800ドル付近で取引された。
インフレ率の鈍化は、FRBの金融政策において利下げへの方針をとりやすくする。また、金利が低下すれば、利回りを生まない資産を保有する機会費用も低下する。この指標が発表されると、米国債の利回りは低下し、ドルは主要通貨に対して下落、株式市場は上昇に転じた。金(ゴールド)価格も最近の上昇基調にさらに勢いを加えた。
食品とエネルギーを除いたコアCPIは、前年比約2.9%だった。これはFRBのインフレ目標である2%を上回っており、根強い物価上昇圧力が依然として解消されていないことを示している。この状況もあって、7月の利上げの可能性も依然として残されている。
消費者物価指数の発表に先立ち、先物市場では、7月28日~29日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが政策金利(FF金利)を3.5~3.75%の水準に据え置く確率がおよそ3分の2と織り込まれており、残りの3分の1が0.25%の利上げを予想していた。
BREAKING: 🇺🇸 CPI inflation falls to 3.5%, far below expectations 👀
— Bitcoin Magazine (@BitcoinMagazine) July 14, 2026
ケビン・ウォーシュFRB議長の発言も、この先行き不透明感をさらに高めた。6月のFOMC議事録では、人工知能(AI)の普及によるエネルギー需要の増加が新たなインフレ要因として指摘されており、今後の物価動向を予測するうえでの判断をいっそう難しくする要因となっている。今週ウォーシュ議長は議会で証言を行なう予定であり、トレーダーは9月の金融政策の方向性を示す手がかりを探るため、彼の発言内容を注意深く分析することになるだろう。
6月のインフレ率を押し下げたガソリン価格の下落は、急速に反転する可能性がある。ドナルド・トランプ大統領がイラン船舶に対する海上封鎖を再開し、ホルムズ海峡の支配権を主張する動きを見せたことで、原油価格は再び1バレル80ドルを上回っている。原油価格の持続的な上昇は、FRBが抑制しようとしてきたインフレ圧力を直接押し上げることになる。
ビットコイン価格の見通し
ビットコイン価格は現在、金融緩和への期待と、新たなエネルギーショックがもたらす影響への警戒感との間で、バランスをとりながら揺れ動いているような状況だ。過去1年間の需要を支えてきた現物ETF(上場投資信託)への資金流入は勢いの鈍化を見せており、その結果、ビットコイン価格はマクロ経済の変動要因の影響を受けやすくなっている。
Bitfinex社のアナリストは「BITCOIN MAGAZINE」に対して、現物ビットコインETFの需要は依然として価格や市場心理に左右されない状態になっておらず、市場が落ち着いている日には買いが入りやすい一方、相場が大きく変動する日には資金流入が後退する傾向が見られると指摘した。このことはビットコインが依然としてマクロ経済に依存する資産であることを示していると、アナリストたちは考えているようだ。
また彼らは、2026年5月中旬以降、ETFの純資金流入の30日間平均は純流出局面に入っていると指摘している。一方で、1日当たりの資金流出額は6月初旬の1億9300万ドルから現在は8890万ドルまで減少。流出ペースは鈍化しているものの、機関投資家の需要は依然として底を打っていない状況だとしている。
この7日間で、ビットコイン価格は約6万1600~6万4700ドルのレンジで推移。7月10日から12日にかけて6万4400ドル付近でピークに達した後、13日には6万1600ドル付近まで下落した。その後は反発し、14日は6万3748ドル(前日比約1%上昇)まで回復、再び週間レンジの中間付近まで戻っている。
今後、市場全体が注目する重要なイベントが立て続けに控えている。今週は、JPモルガン、ゴールドマン・サックス、ウェルズ・ファーゴ、バンク・オブ・アメリカの第2四半期決算が発表され、2週間後には7月のFOMCの政策決定が控えている。
本稿執筆時点で、ビットコイン価格は6万3780ドル付近で推移している。

