Truth Socialを運営するTrump Media & Technology Group(ナスダック:DJT)が、保有するビットコインのうち2,650枚(約2億500万ドル相当)を取引所Crypto.comへ移送した。売却を視野に入れた動きとの見方も出ている。
この移送はブロックチェーン分析企業Lookonchainのオンチェーンデータで確認された。5月22日GMT午前1時22分から2時22分にかけて2回の取引で実施されており、送信元ウォレットはArkham IntelligenceによってTrump Mediaのアカウントと特定されている。同社はこの移送の意図について公式声明をまだ出していない。
Trump Mediaは、1枚あたり平均11万8,522ドルで11,542枚のビットコインを約13億7,000万ドルで取得していた。
移送時点でビットコイン価格は7万7,000〜7万7,300ドル前後で推移しており、取得コストを下回る水準にある。含み損は推定4億5,500万ドル。今回の移送後、同社のオンチェーン保有量は推定6,889〜6,892枚(現在価格で約5億3,300万ドル相当)となっている。
同社によるBTC移送は今回が初めてではない。4カ月前にも、ビットコインが約8万7,378ドルで推移していた時期に2,000枚(当時の価値で約1億7,500万ドル)を移送しており、同社はその際「担保目的の移動」と説明していた。
ビットコインETF申請取り下げ
今回の移送は、Trump MediaがスポットビットコインETFとビットコイン・イーサリアム複合型ETFの申請をSECに取り下げてから数日後にあたる。取り下げは5月20日付で、同社のファンドスポンサーYorkville Americaが「現時点では公募を進めない」として申請を撤回した。
ETFアナリストらは、この決定が規制上のハードルよりも市場環境によるものとみている。ブラックロックやモルガン・スタンレーが主導する現在のビットコインETF市場は、570億ドル規模に達している。
同社業績も大幅な悪化を示している。2026年第1四半期の決算では、87万1,200ドルの収入に対して4億590万ドルの純損失を計上した。前年同期は3,170万ドルの損失だった。損失の大部分(約3億6,870万ドル)は、デジタル資産と有価証券に関する非現金の未実現損失が占める。
DJT株はここ12カ月で約60%下落し、木曜から金曜にかけて7.95〜8.15ドルで推移した。
同社は2021年に設立され、フロリダ州サラソータに本社を置く。暗号資産を財務戦略の柱のひとつとして推進する一方、広告収益基盤の構築には依然苦戦している。