チェコ中央銀行(CNB)として初めてビットコインを購入した。100万ドル規模の購入は、欧州の中央銀行がデジタル資産の世界に慎重ながらも歴史的な一歩を踏み出した形だ。
チェコ中央銀行によれば、この少額ポートフォリオは外貨準備とは別枠で構築され、ブロックチェーン資産の実地経験を積むための実験の一環だという。
ポートフォリオには、ビットコインに加えて米ドル建てステーブルコインとトークン化された預金も含まれる。アレシュ・ミハル総裁は、目的は投機や準備金の分散ではなく、学習にあると述べた。
「狙いは、中央銀行の視点から分散型のビットコインを検証し、準備金分散における潜在的な役割を評価することだった」と同総裁は語る。「我々の経験については継続的に国民に情報提供し、2〜3年後に評価を発表する」
🇨🇿 チェコ国立銀行が、史上初めて100万ドル相当の #ビットコイン と暗号資産を購入 🚀 pic.twitter.com/bZWDleicK2
— Bitcoin Magazine Japan (@BitcoinMagJapan) November 13, 2025
これは、押収したBTCを使ったパイロットプログラムから始め、ビットコインを国家準備金に追加することを検討し、支援的な規制を起草すると表明した台湾の動きに続くものだ。
政策転換ではなく、慎重な一歩としてのビットコイン
チェコ中央銀行は、これが準備金管理戦略の変更ではないことを強調した。この実験は外貨準備とは完全に切り離されており、為替市場への介入や金融政策の実施能力に影響を与えることはない。
「チェコ・コルナは我々の法定通貨だ。チェコ中央銀行はインフレを低く抑え、チェコ・コルナを強く保ち続ける」とミハル総裁は述べる。「しかし今後数年で、支払いや投資の新しい方法が急速に出現するだろう。中央銀行として、我々はこの流れを見極めたい」
この検証用ポートフォリオにより、チェコ中央銀行はデジタル資産保有の実務面——保管と鍵管理から会計、監査、マネーロンダリング対策まで——を検証できる。
また、潜在的な危機シナリオをシミュレートし、多層承認プロセスのセキュリティを評価する。これらは理論やシミュレーションだけでは完全に理解できない詳細だと、同行は述べた。
貨幣の未来を検証する
このプロジェクトは、ブロックチェーンが金融をどう再構築するかについて、各国や中央銀行が抱く広範な関心を反映している。これまでの研究の大半は中央銀行デジタル通貨(CBDC)に焦点を当ててきた。しかしCNBの取り組みは、ビットコインを含む公的・私的デジタル資産を、実際に投資可能な手段として見ている。
「目的は、将来的に金融・決済システムを大きく変える可能性のある技術について、実践的な経験を積むことだ」とCNBは声明で述べている。
実質的に、チェコ中央銀行は小規模な実証実験を行っている。伝統的な金融機関がオープンなブロックチェーン上に存在する資産を所有、保管、会計処理することの意味を問うているのだ。
ビットコイン、ドル建てステーブルコイン、トークン化された預金というポートフォリオの構成は、3つの異なるデジタル資産カテゴリーを比較することを可能にする。ビットコインは分散型資産を、ステーブルコインは民間発行のデジタル通貨を、トークン化された預金は規制に準拠した金融の将来像を、それぞれ代表するものだと同行は説明している。