ビットコインが短期的に上昇する道筋はより険しくなった。しかし、長期的に先を見据えれば、環境は改善しつつある──。新たなレポートはそう指摘している。
欧州の資産運用会社CoinShares社のリサーチ責任者であるジェームズ・バターフィル氏は、9月11日付のレポートで、米国の予想を上回るコアインフレ率によって、米連邦準備制度理事会(FRB)がより引き締め的な政策をとる可能性が高まり、当面はビットコインの価格が8万ドルを下回る水準に抑えられる可能性があると述べた。
しかし同氏によれば、長期的な見通しは、米財務省による国債買い戻しプログラムが長期債の利回りを引き下げることに失敗するかどうかにかかっている。もし失敗した場合は最終的に、ビットコインと金(ゴールド)の双方を支えてきた「通貨価値の希薄化」というシナリオを助長する可能性があるという。
「したがって、ビットコインにとってはいささか異例の政策の組み合わせとなる。今回の消費者物価指数(CPI)データは、限界的にはネガティヴ要因だ。金融政策がより引き締め的になる可能性を高め、ビットコインの短期的な上昇余地を制限する可能性がある」と、レポートは指摘している。
「しかし、米財務省が現在実施している国債買い戻しプログラムが明らかに失敗していることは、今後さらに先の段階で、より大規模な介入が行なわれる可能性を高めている」
レポートはさらに、「もしそうなれば、ビットコインにとって中期的にもっとも強力な起爆剤のひとつになる可能性がある」と続けている。
9月11日(米国時間)に発表されたデータによると、食品とエネルギーを除いたCPIは、8月に前月比0.3%上昇し、市場の予想を上回った。
CMEのFedWatchツールによると、トレーダーたちは、今週のFRB会合後に政策金利が高くなる確率を85%とみている。ビットコインはこれまで、低金利の環境において概ね好調なパフォーマンスを示してきた。
しかし、米財務省による国債買い戻しプログラムの拡大は、これまでのところ、長期金利を目に見えるかたちで抑制するには至っていない。
バターフィル氏は、このまま金利が高止まりするようであれば、スコット・ベッセント財務長官に対して、借入コストを引き下げることを狙った、より大規模な「バズーカ型」の買い戻しプログラムへと政策をエスカレートさせるよう圧力が強まるだろうと指摘している。
8月にビットコインは数年ぶりの好調な上昇局面を見せたが、これは、ベッセント長官が財務省は長期国債の買い戻し規模を2倍にすると発表した後のことだった。
この発表とその後の価格急騰を受け、長らく話題となってきた「デバリュエーション・トレード」が復活したと指摘する向きも出てきた。いわゆる「デバリュエーション・トレード」とは、通貨価値の下落リスクをヘッジする手段として、投資家がある資産を購入することを指す。
ドルが弱含むなか、ビットコインと金はいずれも、このトレードの一環として恩恵を受けている。





