中国当局が、同国史上最大級の詐欺事件に関連する約6万2,000BTC(10月22日時点の価格で約50億ドル相当)の押収に向けて動いている。
上海の澎湃新聞(The Paper)が先週報じたところによると、検察側は、天津藍天格鋭電子科技の実質的な支配者とされる銭志敏(Qian Zhimin)氏が、2014年から2017年にかけて協力者を集め、金融規制当局の承認を得ないまま偽の資産運用商品を全国で販売させ、投資家に確実なリターンを約束していたと主張している。
このスキームで集められた資金は約403億人民元に上る。銭氏は投資家の資金を、ポンジ・スキームのように以前の参加者への支払いに回す一方、ビットコインの保有や不動産、自動車、宝飾品に資金を振り向けていたとされる。正当な事業運営に充てられた資金はわずかだった。
2017年7月、スキームが破綻しつつあるなか、銭氏はビットコインのウォレットを保存したコンピューターを携えて英国へ逃亡した。英国当局はその後、暗号資産やその他の財産を押収した。押収資産には約6万1,900BTCのほか、現金、宝飾品、その他の暗号資産が含まれる。
この案件では最近、大きな動きがあった。英高等法院が、押収されたビットコインをめぐる所有権の争いには、英国法ではなく中国法が適用されるとの判断を示した。
ビットコインは2017年以降に大きく値上がりしており、どの法律が適用されるかによって、被害者がその値上がり分を受け取れるかどうかが決まる。英国の検察庁(CPS)は、被害者は中国の補償制度を通じて損失を回復できる可能性があるとしているが、一部の被害者の代理人を務める法律事務所Fieldfisherの関係者は、上訴を検討している。被害者が資産に対する権利を立証できるかどうかは、今後の審理で判断される。
一方、天津市第二中級人民法院は、銭氏の違法資産の没収を求める検察の申し立てを9月28日に受理したと発表した。
被害者はWeChatのプラットフォームを通じて、資産回収手続きへの参加を登録できる。正式な審理が始まる前に、6カ月の公告期間が設けられる。
中国の暗号資産規制は、世界でも最も厳しい部類に入る。同国政府は2021年、デジタル資産の取引とビットコインのマイニングを禁止した。





