ビットコインは2025年10月に付けた過去最高値の約12万6,080ドルから下落し、直近では6万ドル台前半で推移している。50%近い下落は市場心理を揺さぶった。もっとも、これは通常どおりの動きなのかもしれない。
資産運用会社VanEck(ヴァンエック)が米国時間の木曜日に公表したレポートによれば、足元の低迷はビットコインがこれまでたどってきた4年の半減期サイクルに沿ったものだという。このサイクルではマイニング報酬が定期的に半分に減らされ、新規供給が絞られる。弱気局面はそのあとに続くことが多い。同社は今回の下落を、ビットコインの市場構造からの逸脱ではなく、そこに繰り返し現れる特徴だと位置づけている。
VanEckのGEOフレームワークが追跡するのは、グローバル流動性(Global Liquidity)、エコシステム・レバレッジ(Ecosystem Leverage)、オンチェーン活動(On-Chain Activity)の3つだ。現時点では3つのシグナルのうち2つが中立を示し、エコシステム・レバレッジは良好な領域(constructive territory)にある。同社は、この組み合わせが底形成の初期兆候を示しており、段階的にポジションを積み始める時期かもしれないと述べている。
ブロックチェーン分析会社CryptoQuantによる別の調査も、同じ方向を指している。同社のアナリストらが取り上げたのは、調整済みNUPL(Net Unrealized Profit/Loss、純未実現損益)に基づくオンチェーンデータだ。長期のビットコイン保有者は、市場のなかで最も動じにくく損失への耐性が高い層とされるが、いまや市場全体よりも深い含み損を抱えている。
アナリストのMorenoDV氏は今週、長期保有者が平均以上に痛んでいるというまさにこの構図が、過去の主要なサイクル底のすべてで現れてきたと指摘した。
それでもCryptoQuantは、底打ちを早計に宣言しないよう注意を促している。過去のサイクルでは、この同じ長期保有者の指標が、真の安値を付ける前にはるかに深いマイナスの極値まで低下していた。
足元の数値はまだその水準に達していない。最大の暗号資産であるビットコインが、もう一段の急激な投げ売り(キャピチュレーション)に直面する可能性は残る。ただし、機関投資家需要の強まりと保有者層の耐久性の高まりによって、今回のサイクルがこれまでより小さい打撃で底を打つ場合はこの限りではない。
2つのレポートが示すのは、歴史的な基準に照らせばストレス下にあるが、過去のサイクルの底を特徴づけてきた極端な水準にはまだ達していない市場の姿だ。