4月7日月曜日、トッド・ブランシュ司法副長官(DAG)は「Ending Regulation By Prosecution(訴追による規制の終焉)」と題したメモを公開し、米国司法省がビットコインおよび暗号資産ミキサーに対する取締りを終了する方針であると表明した。
ブランシュ司法副長官が発表したメモには、次のように記されている。
「司法省は当該分野における訴追による規制への関与を終了する。具体的には、仮想通貨取引所、ミキシングおよびタンブリング・サービス、オフラインウォレットを、そのエンドユーザーによる行為や意図しない規制違反を理由に標的とすることは今後行なわない」
その翌日、ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官(NYAG)は、連邦議会の指導者らに対して連邦レベルでの暗号資産規制の整備を求める書簡を、他の共著者とともに提出した。その理由のひとつとして、暗号資産ミキサーの不正使用を防ぐ必要性が挙げられている。
ジェームズ氏らによる書簡には、暗号資産ミキサーに関して次のような主張が記されている。
「効果的な立法には、暗号資産プラットフォームがマネーロンダリング防止(AML)法、顧客確認(KYC)規制、サイバーセキュリティ・プロトコルに明確に準拠することを義務づける必要がある。これは、テロ資金供与、敵対的政権や犯罪への資金流入を防止するためである。マネーロンダリング・ミキサーなどを通じて完全な追跡が不可能な暗号資産については、米ドルに直接的または間接的に換金されることを許可すべきでない」
ブランシュ副長官はビットコインおよび暗号資産ミキサーの利用者に一定の「疑わしきは罰せず」な対応を認めているのに対して、ジェームズ司法長官はミキサーという技術そのものを「マネーロンダリング・ミキサー」と呼び、あたかも全利用者が犯罪者であるかのように示唆している。
こうした表現が州の司法長官から(いや、いかなる法曹関係者からであっても)発せられることは、極めて問題だ。なぜなら、利用者の有罪を前提とした論調だからである。
なお、ジェームズ司法長官は2018年の就任以降、ビットコインおよび暗号資産に対してこのようなレトリックを繰り返してきた。それは公平とはいえない。その理由は以下の通りだ。
- 彼女はこれまで一度として、人権活動家や民主主義支持者が自身および寄付者のプライバシーを守る手段としてミキサーを利用している現実に言及したことがない。
- 米国市民には金融プライバシーを守る権利がある。
つまり、ビットコインのプライバシー問題が政治の場で注目を集めつつあるこの時こそ、ブランシュ副長官のような健全な論調を支持し、NY司法長官のような危険かつ不公正な言説には声を上げて反論すべきなのだ。
この問題に関して声を上げるかどうかは、私たちにかかっている。特に現在進行中のサムライウォレット事件とトルネードキャッシュ事件の行方を慎重に見守るなかで、重要性はさらに高まっている(詳細は以下の動画で)。
私たちがインターネット上で自由に価値をやり取りする権利を守り抜く闘いは、すでに始まっている。傍観している余裕はないのだ。
本記事は、寄稿者によるコラム「Take」です。記事内に述べられた意見は、完全に筆者個人のものであり、BTC IncやBitcoin Magazineの見解を必ずしも反映するものではありません。