米国は、イランによるビットコインの利用を引き続き標的にしている。
米財務省は木曜日の声明で、イランの暗号資産取引所BitBankを制裁対象に指定した。なお、今回制裁対象となったBitBankは、日本の暗号資産取引所「bitbank」とは別の事業者だ。トランプ政権がイラン・イスラム共和国とその支援者に対して政府を挙げて進める経済キャンペーン「オペレーション・エコノミック・アウトキャスト(Operation Economic Outcast)」の一環だ。
米国は数十年にわたってイランに制裁を科してきた。今年に入り、同国は経済制裁をかいくぐるため、ビットコインを含む暗号資産の利用を増やしている。
「本日のイランのデジタル資産インフラへの指定は、暗号資産を使ってイラン政権に資金を供給しようとする試みがOFACの手が及ばないものではないことを、はっきり示すものだ」。スコット・ベッセント財務長官は声明でそう述べた。
「イラン政権を支援するなら、財務省はあなたを制裁する」
今回の制裁は、すでに制裁対象に指定されているイランの金融業者ババク・ザンジャニ氏のほか、BitBankのソフトウェア開発会社Pishtaz Simorgh Electronic Trade Company、ザンジャニ氏の関係者であるホセイン・アリ・ザケル・ホセイン氏、モハンマド・マフディ・ザケル・ホセイン氏、セイエド・アデル・ヘイダリ氏の3人を標的としている。
財務省によると、イランのHormuz Safe Marine Services Authority(ホルムズ・セーフ)は6月以降、BitBankを使ってイラン政権へ資金を移していた。
今回の制裁は「ザンジャニ氏が資金洗浄のために築いた仕組み」を狙ったものだと、財務省は付け加えた。
「財務省は今後も、イランのデジタル資産エコシステムだけでなく、それを支える国際的な事業体や関係者も標的にしていく」。声明はこう続けている。
ホルムズ海峡と ビットコイン
イランは今年、ホルムズ海峡を通航する船舶向けに、ビットコインを用いた「保険」スキームを始めていた。この仕組みは、米国・イスラエルとの軍事衝突後にイランが海峡通航から収益を得る手段として導入したものだ。
米国は7月、イラン政権に結び付く暗号資産を凍結したと発表しており、その大半はテザーのステーブルコインだった。
テザーのUSDTのようなステーブルコインは、その資産を発行する企業が凍結できる。しかしビットコインは分散型で単一の発行体を持たないため、そうした凍結はできない。
米財務省外国資産管理局(OFAC)は7月、イランがホルムズ海峡を通航する船舶からビットコインでの支払いを受け取ることで制裁を回避していたと指摘していた。
OFACは当時、イラン経済省が開発したホルムズ・セーフについて、制裁を回避できるよう「ビットコインおよびその他のデジタル資産による支払いを受け入れている」と述べていた。





