Coldcardのシード生成の脆弱性に関連するとみられる資金流出をめぐり、攻撃者が著名なブロックチェーンサービス事業者の有料アカウントを利用していたと伝えられている。
決済企業Blockのエンジニア、クレイ・ギャレット氏は7月31日にXへ投稿し、ブロックチェーン上の資金の動きが攻撃者のものとみられる操作パターンと一致することを突き止めたのち、調査側がこの事業者へ連絡したと明らかにした。事業者名は、当該事業者の要請により明かしていない。
「昨日のColdcardからの資金流出を調査するなかで、一連の送金に異常なパターンを見つけた」とギャレット氏は述べた。
「そのパターンから一つの仮説にたどり着き、その仮説はすでに裏付けられた。実行者は、著名なブロックチェーンサービス事業者の有料アカウントを使って送金元アドレスを照会し、一連の送金の過程で、ほかにも関連する操作を行っていた」。ギャレット氏はこう続け、当局に通報済みだとした。
ギャラクシー・デジタルのリサーチ部門もXに投稿し、攻撃者によるコインの動かし方に異常なパターンがあったと指摘した。
「このパターンから、これらがすべて同一の攻撃者によるものと判断できる。ただし、パターンが捉えているのは攻撃そのものではない。攻撃自体は、コインの所有者が自ら動かした場合と同じように見える」。同社はそう述べたうえで、ビットコイン保有者はシングルシグのColdcardアドレスから資金を引き揚げ、安全な保管先へ移すべきだとした。
7月30日に3,500万ドルを超えるビットコインがウォレットから抜き出されたのを受け、Coinkiteは、Coldcard MK3のファームウェアのバグ(2021年3月のバージョン4.0.1以降)により、シードの生成がハードウェアの真性乱数生成器ではなく、脆弱なソフトウェアの擬似乱数生成器(PRNG)に切り替わっていたと説明した。
これにより、多くのシングルシグウォレット、とりわけサイコロの出目や強力なBIP39のパスフレーズを使わずに作られたウォレットの秘密鍵が、攻撃者が総当たり攻撃で割り出せる程度に予測可能になっていた。
7月31日にはさらなる盗難が続き、Coinkiteはその後、影響対象がMK2・MK3・MK4・MK5・Qの特定ファームウェアに及ぶと説明した。これまでに7,000万ドル超が持ち去られ、エンジニアはさらに多くのビットコインアドレスがリスクにさらされている可能性があると警告している。
※編集部注:Coinkiteのアドバイザリーは、米国東部夏時間の8月1日午後2時35分(日本時間8月2日午前3時35分)に再更新された。影響対象は、MK2・MK3の4.0.1〜4.1.9、MK4・MK5のStandard版5.6.0未満/Edge版6.6.0X未満、QのStandard版1.5.0Q未満/Edge版6.6.0QX未満。独立したサイコロによる十分なエントロピーを追加していた場合などを除き、対象ファームウェアで生成されたシードはリスクにさらされる。ファームウェアを更新しても既存シードは修復されないため、Coinkiteは修正版への更新後に新しいシードを生成し、資金を移行するよう案内している。





