8月12日(米国時間)に発表された経済指標で、米国のインフレ率が抑制されていることが示された後、ビットコイン価格は一時的に下落したものの、その後はほぼ横ばいで推移した。
最大の暗号資産であるビットコインの価格は、本稿執筆時点で6万3863ドルとなっており、直近の24時間ではほぼ変わっていない。過去1週間でもビットコインはほぼ横ばいで推移している。
12日に発表された7月分の消費者物価指数(CPI)は、総合・コアとも市場予想と概ね一致しており、インフレの鈍化を示した。総合CPIは、前月比0.1%上昇、前年同月比3.4%上昇。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは、前月比0.2%上昇、前年同月比2.5%上昇となり、2021年3月以来もっとも緩やかな上昇ペースとなった。
また、エネルギー価格とガソリン価格は2カ月連続で下落し、食料品価格は3月以来初めて下落した。
このニュースによって、米連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ議長が9月に利上げを行なう必要性への圧力は和らいだ。
インフレ率の鈍化は利下げへの道筋を広げ、金利の低下は利回りを生まない資産を保有する際の機会費用を低下させる。ビットコインはこれまで、低金利の環境下で好調なパフォーマンスを示す傾向にあった。
世界最大の経済大国である米国で根強いインフレが続いていることから、FRBは金利政策をめぐって慎重な姿勢をとってきた。12日に発表された指標はインフレの鈍化を示すものだったが、物価は依然として1年前よりも高く、米国の賃金は物価上昇に追いついていない状況だ。
ビットコインは、2月に米国とイスラエルがイランを攻撃して以降、ボラティリティが高まっている。戦争勃発が最初に報じられた際、主要暗号資産であるビットコインは急落した。現在も、年初来で見ると約30%下落した水準で推移している。
それでも、ここ数週間、投資家の間ではビットコインに対する需要が高まっている。米国の現物ビットコインETF(上場投資信託)には、巨額の資金が流入しており、先週は4月以来最大の資金流入を記録した。これは、人気のビットコイン・ハードウェアウォレット「Coldcard」で発生した大規模なエクスプロイト(脆弱性を悪用した攻撃)が暗号資産投資家を震撼させ、また、長らく待たれていたデジタル資産市場構造法案「CLARITY法」の採決が延期されるなど、暗号資産業界にとって悪材料となるニュースが最近続いているにもかかわらず起きていることだ。