Home記事米通貨監督庁、新設銀行の免許付与を推進 暗号資産企業には連邦信託銀行の条件付き承認

米通貨監督庁、新設銀行の免許付与を推進 暗号資産企業には連邦信託銀行の条件付き承認

米国の連邦銀行規制当局から、暗号資産の主要企業が条件付き承認を得ている。

米通貨監督庁(OCC)は、新たに設立される銀行に免許を出す「デノボ・チャータリング(de novo chartering)」を再び活発にする取り組みを、今後も進めるとしている。この取り組みはすでに、暗号資産分野の最大手の一部に連邦規制の枠内へ入る入口を開いてきた。

同庁は米国時間の火曜日に出した声明で、銀行の新規設立を活性化させることが引き続き優先課題だと述べ、この問題をめぐる米連邦預金保険公社(FDIC)の最近の取り組みを評価した。

「新設銀行への免許付与は、銀行システムが健全であることの表れだ」。ジョナサン・V・グールド通貨監督庁長官はそう述べ、預金保険の申請を審査するFDICの新たな手続きは、新規免許の減少を反転させようとするOCCの取り組みと足並みがそろっていると付け加えた。

OCCによれば、新設銀行への免許付与はこの15年で大きく落ち込んだ。2011年から2014年にかけて、OCCが受理した免許申請は年平均で4件を下回り、1件もない年もあった。

「規制当局は10年以上にわたり、連邦の銀行免許と連邦の預金保険を求める者に対して、申請するには及ばないという合図を送ってきた」とグールド長官は述べた。「法律上認められた業務を行う事業者には、デジタル資産やその他の新しい技術に関わるものも含め、国法銀行になる道が開かれているべきだ。米国とOCCは、再び門戸を開いている」

数字は反転した。OCCが過去18か月間に受理した新設銀行の免許申請は40件に上る。そこには、同庁が数十年にわたって認可してきた免許の種類である連邦信託銀行(ナショナル・トラスト・バンク)の申請も含まれる。多くの案件で、書類のそろった申請を受け取ってから120日以内に判断を出している。業務全般を扱う国法銀行が最終承認を得て開業したのは5年ぶりとなった。パルマー・ラッキー氏、ジョー・ロンズデール氏、ピーター・ティール氏のファウンダーズ・ファンドが支援するエレボール銀行だ。

暗号資産の主要企業も相次いで条件付き承認を得ている。リップル、サークル、Crypto.com、パクソスなどだ。ドナルド・トランプ大統領が支援する分散型金融(DeFi)プラットフォームのワールド・リバティ・フィナンシャルも申請しており、独自のステーブルコイン「USD1」を機関に使ってもらうことを狙う。

暗号資産企業を引きつけているのは、制度上の理由だ。この免許があれば、連邦の規制の枠内で顧客の資産を預かり、取引の決済を扱えるようになる。暗号資産取引所であるコインベースにとっては、連邦の枠組みのもとで暗号資産のカストディアン(保管業者)となり、より規模の大きな事業者の資産を管理することを意味する。

ただし、これを歓迎しない向きもある。全米独立コミュニティ銀行協会(ICBA)は、コインベースによる連邦信託銀行免許の申請を却下するようOCCに求めた。同協会は、この取引所には「明らかに欠陥のあるリスク管理・統制機能」があり、「独立した監督を妨げる」ガバナンスのもとで運営されていると主張している。

また2月には、米国最大の銀行業界のロビー団体である米国銀行協会(ABA)が、暗号資産企業の免許申請の審査ペースを落とすようOCCに求めた。

手続き上の異議の下にあるのは、縄張り争いだ。伝統的な銀行の側の最も大きな不満のひとつは、ステーブルコインに行き着く。コインベースのような企業は、トークンを保有する利用者に報酬を払いたいと考えており、銀行側はこれを不公正で、自分たちの預金基盤を侵食しかねないと主張している。

一方のOCCは、新たな銀行の設立を引き続き後押しし、連邦銀行システムの強靱性を高めていくとしている。

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