米国時間の木曜日、バイナンスがセキュリティ侵害を確認するなか、BTCは7万6,300ドル台で取引された。同取引所は、今回の侵害による影響額を総額63億ドルと推定している。この数字に基づけば、記録上最大級の暗号資産窃取事件の一つに数えられることになる。
売りが出る前、BTCは同日の取引の早い段階で24時間高値となる8万1,890ドルに達していた。この売りに伴い、レバレッジをかけたロングポジション数百万ドル分が清算された。
同取引所はXへの投稿で、初期調査の結果、今回の事案にはDevOpsエンジニアのノートパソコンの侵害が関わっている可能性があると説明した。攻撃者はサービスコンテナへのアクセスを得て、不正な出金トランザクションを送信したとされる。同取引所は、ウォレットの秘密鍵が漏洩した証拠は見つかっていないとしている。
「推定される影響総額は約63億ドルだ。ブロックチェーンのパートナーと協力して影響を受けた資産を凍結しており、これまでに約30億ドルがオンチェーンで凍結されている。バイナンスはすべての損失を、SAFUファンドと会社の資金で補填する。ユーザーの資金は安全だ。修復が完了した段階で、更新した準備金証明(Proof of Reserves)も公表する」と、バイナンスはXに投稿した。
63億ドルという推定額は、27億〜58億ドルの幅にあったそれまでの数字を上回る。同取引所によると、ブロックチェーンのパートナーと協力して影響を受けた資産を凍結しており、これまでに約30億ドルがオンチェーンで凍結されたという。
「調査が完了し、事実が検証された段階で、詳細な技術的事後報告(ポストモーテム)を公表する」と同社は述べた。
テザーのパオロ・アルドイーノCEOはこれに先立ち、同社が15億6,700万USDT超を凍結したと明らかにしていた。サークルも、攻撃者とみられる人物に関連するUSDCを凍結した。
共同創業者のイー・ハー氏はXで、ユーザーの資金は安全であり、バイナンスがハッキングによる損失をすべて補填すると投稿した。ハッキングの可能性をめぐる懸念は、あるユーザーが、イーサリアムやテザー、サークルが発行するステーブルコインを含む27億ドルを超える資産が、不審な状況のもとでバイナンスのウォレットから外部アカウントへ移されているのに気づいたことをきっかけに浮上した。
バイナンス、 入出金を 停止
同取引所がセキュリティチェックを実施し、資金を凍結し、法執行機関と連携するなか、記事執筆時点で入出金は停止されたままだった。同取引所は、影響を受けたアドレスの認可を取り消し、関与した者の身元確認を進めているとしている。
※編集部注:バイナンス共同創業者のイー・ハー氏は米中部時間10月29日午後11時17分(日本時間30日午後1時17分)、入金は通常どおり稼働しており、出金は48時間以内に再開する見込みだとXに投稿した。バイナンスの公式アカウントも、出金は48時間以内に再開する見込みだとしている。
Aaveは、攻撃者とみられる人物が盗まれた資金を担保に借り入れを行うのを防ぐため、レンディング市場を凍結したと報じられている。Binance.USは、今回の事案は同社のプラットフォームには影響しないとしている。
同社は、完全な事後報告の公表時期を明らかにしていない。それまでの間、最新情報についてはバイナンスの公式チャネルのみを参照するよう、ユーザーに呼びかけている。
バイナンスの元CEO、チャンポン・ジャオ氏は、攻撃が進行していた最中にXで次のように投稿した。「ユーザーの資金は安全だ!バイナンスへのハッキングのように見える。[テザーとサークル]による迅速な凍結に感謝する。私はもうバイナンス(.com)を運営していないが、株主として、ユーザーの資金はすべて全額補填されるものと期待している」
ハッキングのニュースが広がるなか、BTCは7万6,301ドルまで下落した。記事執筆時点では、7万7,800ドル近辺で取引されている。





