投資家は、Coldcardの大規模なハッキング事件を受けて、現物ビットコインETF(上場投資信託)に資金を投じているようだ。
Farside Investors社のデータ によると、7月31日金曜日(米国時間)にハッキングのニュースが報じられて以降、ブラックロック、フィデリティ、グレースケール、モルガン・スタンレーなどの運用する米国の主要ファンドに、総額6億2600万ドルの新たな資金が流入した。
先週、ハッカーたちはColdcardウォレットのソフトウェアに脆弱性を発見し、それを悪用して数百万ドル相当のビットコインを盗み出した。一部の推計では、盗まれたビットコインの総額は1億3000万ドルを超えるという。
ブルームバーグ・インテリジェンスのETF担当シニアアナリストであるエリック・バルチュナス氏は、8月6日付のXへの投稿で、この資金流入がハッキングと直接関係しているとは限らないとしつつも、投資家にとってはビットコインの管理をファンド運用会社に任せることは賢明な判断になるだろうと述べた。
バルチュナス氏は、「あなたのビットコインのセキュリティを台無しにしない(あるいは、“ろくでなし”にやられたとしても取り戻してくれる)と信頼できるのは、カナダの5人規模の小さな会社ですか? それとも、この男と彼の2万5000人の従業員を抱え、運用資産15兆ドル規模を誇る、規律を重んじる巨大な企業帝国ですか?」と書き込み、ブラックロックのラリー・フィンクCEOの顔写真を投稿し、Coldcardの親会社であるCoinkite社の小規模なチームを批判した。
$IBIT, $FBTC, $BITC, $ARKB, $MSBT have all seen inflows every single day (and growing each day) since the Coldcard Hack this wknd for a total of $620m. I’m not saying it’s connected, we just don’t know, altho long-term I can’t imagine there aren’t some who migrate over, but it’s… pic.twitter.com/Y63ZUKsVJD
— Eric Balchunas (@EricBalchunas) August 6, 2026
彼はさらに、「結局のところ、いまとなってはTradFi(伝統的金融)もそれほど悪くないと思えるだろう?」と付け加えた。
ETFへの新規投資資金の大部分は、ブラックロックのiShares Bitcoin Trust(IBIT)に流入している。
“ウォール街の巨人”が立ち上げたこのETFは、2024年に米国証券取引委員会(SEC)の承認を受け、ETFの歴史上でもっとも成功したローンチとなった。
それまで、コールドストレージや秘密鍵の管理の複雑さを理由にビットコインの購入をためらっていた投資家も、ビットコイン価格に連動するETFの持分(株式)を購入できるようになったのだ。
CoinGlassのデータによると、ウォール街の大手資産運用会社が運用するこれらのETFは現在、総額778億ドルの資産を運用している。
人気のハードウェアウォレットであるColdcardには、2021年のファームウェア開発時の欠陥に起因する脆弱性が存在していた。この不具合により、本来使用されるべきデバイス専用の乱数生成チップが利用されず、その結果、攻撃者が脆弱な秘密鍵を推測できる状態になっていた。
この攻撃が始まって以来、数百万ドル相当のビットコインが毎日のように流出しており、慎重な投資家たちは自身のビットコインを、暗号資産取引所を含む別の保管手段へ移し始めている。