ドナルド・トランプ大統領は、これまで米国が迎えたなかでもっとも暗号資産に友好的な指導者かもしれない。では、もし民主党が再び政権を握ったら、ビットコインはどうなるのだろうか?
資産運用会社VanEck社のデジタル資産調査責任者であるマシュー・シーゲル氏によれば、政権交代は必ずしもビットコインにとって悪いことではないという。
8月26日(米国時間)にCNBCに出演したシーゲル氏は、多くの人が考えていることとは異なり、ジョー・バイデン前大統領はビットコインに反対していたわけではないとも述べた。
共和党はこれまで繰り返し、民主党を「反暗号資産」だと非難してきた。実際にバイデン前大統領の政権下では、規制当局が多くのデジタル資産企業を取り締まり、さまざまな訴訟を起こしてきた。
「実のところ、バイデン前大統領はビットコインにとって問題ではなかった。むしろ、(民主党が再び政権を握った場合に)問題が生じる可能性があるのは、その他の暗号資産だろう」と、シーゲル氏は指摘した。
さらに、彼は「民主党内で社会主義的な勢力が台頭していることを考えると、ここニューヨーク市には、政府が好きなだけ印刷して無駄に使うことのできない、分散型で希少性のあるデジタル資産に価値があるのはなぜなのかを、改めて思い知らされている人が大勢いると言えるでしょう」と付け加えた。
トランプ大統領はデジタル資産業界を支援することを公約に掲げて選挙運動を行ない、「戦略的ビットコイン準備金」の設立を含む、暗号資産を支持するいくつかの大統領令を発令してきた。
トランプ大統領が2024年の大統領選挙で勝利したことを受けて、ビットコイン価格は急騰し、昨年には過去最高値を更新した。2026年に入って数カ月間低迷が続いたものの、トランプ大統領が議員らに対して、長らく待ち望まれてきた暗号資産法案「CLARITY法」を成立させるよう強く促すと、先週からビットコインは再び上昇に転じた。
ビットコインは過去7日間で約24%上昇した。今週は8万1160ドルまで高騰した後、再び下落して、現在の価格である7万8438ドルとなっている。
暗号資産推進派の議員たちは、議会が8月の休会に入る前に「CLARITY法」を可決させたいと考えていたが、民主党が最新の草案に難色を示したため、 採決は9月に延期された。
一部の共和党上院議員は、民主党が意図的に法案の成立を遅らせていると非難している。
「CLARITY法」は、デジタル資産を証券、コモディティ(商品)、または決済用ステーブルコインに分類する法的な枠組みを構築し、それぞれをどの規制当局が監督するのかを定めることを目的としている。
今回のシーゲル氏の発言は、Coinbase社の最高政策責任者であるファリヤール・シルザド氏の発言とも重なる。シルザド氏は7月、暗号資産について「おそらくワシントンでもっとも超党派的な問題かもしれない」と述べていた。
「CLARITY法」の採決が遅れていることについては、シルザド氏は、一部の議員がこの待望の法案の成立を阻んでいる一方で、若い民主党議員たちはこの法案の枠組みを支持していると指摘した。
The Hillの番組「 Rising」に出演したシルザド氏は、「法案をめぐる反対意見の多くは世代的なものだ。確かに反対しているのは民主党議員たちだが、テクノロジーを理解し、お金が私たちの金融とのかかわり方をどのように変えつつあるのかを理解している若い議員たちは、私たちが適応する必要があることを理解していると思う。つまり、これは本当に世代交代の問題だと考えている」と語った。