Coinbase社のCEOであるブライアン・アームストロング氏が、同社が米国最大のビットコイン取引所になる何年も前の2012年にプレゼンのリハーサルをしている動画が公開された。
録画の中で、アームストロング氏は「ビットコインは世界中どこにでも瞬時に送金できるデジタル通貨だ。しかし、使うのは難しい。ツールは使いにくく、バックアップも難しく、ユーザーは簡単に資金を失う可能性がある」とシンプルな主張を展開している。
「Coinbaseはそれを解決する。このプラットフォームはホスティングされたウォレットとして機能し、誰もがセキュリティやバックアップを心配することなく、あらゆるデバイスから自分のお金にアクセスできるようになる」と、彼は説明している。
アームストロング氏は自身の計画を、iTunesが音楽業界にもたらした成果になぞらえた。彼は初期の成長を強調し、登録数と取引数が「一日あたり20%」の割合で増加し、わずか5週間で6万5000ドル相当のビットコイン決済が処理されたと語った。
プレゼン自体は3分未満と短く、率直な内容だった。アームストロング氏は手数料、競争、そして、グローバルな決済システムとしてのビットコインの可能性について語った。これは、暗号資産業界以外ではほとんど知られていなかった企業の初期ヴィジョンを垣間見る貴重な機会と言える。
In 2012, Brian Armstrong recorded himself rehearsing his pitch for Coinbase.
Today, they’re the largest Bitcoin exchange in the US ✨ pic.twitter.com/Ta4bKz0hYd
— Bitcoin Magazine (@BitcoinMagazine) December 4, 2025
すべては「取り残されないために」
アームストロング氏のアイデアは成功したといっても過言ではない。10年以上経ったいま、Coinbaseは米国最大の取引所となり、数十億ドル規模のビットコイン取引を処理し、アメリカ人とデジタル資産とのかかわり方を形づくっている。
この2012年の断片的なリハーサル映像は、のちに暗号資産の大手企業へと成長する企業が最初の一歩を踏み出した瞬間をとらえている。
昨日12月3日、アームストロング氏はブラックロック社CEOのラリー・フィンク氏の隣に座り、ステーブルコインを無視する米国の大手銀行はすべて「取り残される」リスクがあると述べた。
アームストロング氏は「ニューヨーク・タイムズ」紙の「DealBook Summit」にフィンク氏とともに登壇し、複数の大手銀行がCoinbaseと共同でステーブルコイン、暗号資産の保管、取引に関するパイロットプログラムを進めていると語った。
アームストロング氏は伝統的な金融システムの内部で分裂があることを認めた。一部の金融機関のロビー活動部門は暗号資産に反対する一方で、イノベーションチームはそれを研究している。
彼は「これは典型的なイノベーターのジレンマだ」と語り、銀行は新しいテクノロジーを受け入れるか、それとも闘うかの選択を迫られていると指摘した。ステーブルコインに資金が流入することへの懸念については、銀行は主に利益率の確保に重点を置いていると述べた。
かつてはビットコイン懐疑論者だったフィンク氏は、いまやビットコインに「巨大なユースケース」があると見ており、米国がステーブルコインのイノベーションで後れをとっていることを懸念していると明かした。
アームストロング氏は米国政府に対して暗号資産の擁護を訴えかけてきた。彼は暗号資産業界に対するより明確な規制を求めてロビー活動を行ない、推進してきた。
アームストロング氏は、法的明確化を確立しようとするCLARITY法のような法案を支持してきた。彼は「Stand With Crypto」をはじめとする草の根運動を立ち上げ、また、Fair Shakeのような政治活動委員会(PAC)を通じて数百万ドルもの資金を選挙キャンペーンに投入してきた。